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好きなもの作戦2
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『ゆりあー、ゆりあが欲しいって言ったもの買ってくれる人なら、付き合ってもいいかなー』
確かに!
好きなものをリサーチして、くれる人っていいよなっ!!
って事で朝、卵料理好きって言ってたし
卵だ!
「…なんか、今日卵多くない?」
オムライス、卵焼き、ポーチドエッグ、かき玉、ニラ玉
「なんだよ、人が初めて夕飯作ってやったのに。文句あんのか?」
ああ、また喧嘩腰になっちゃったよ
「いや、いいけどさ」
仁はやっぱり笑ってる。
よく笑う人だとは思ってたけどさ
仁が笑うたびに、実は嬉しくてしょうがない
それを隠すのがどれだけ大変か。
「食えっ!!」
「はいはい。おっ、上手いじゃん!偉いなー春斗は料理も上手だなっ」
褒められたっ
「当たり前だろ!料理なんて勉強と同じだ」
本当は火傷したし
卵5個くらいは失敗したし
でも、そんな事言ったらますます子供扱いされちゃうから
「そうかー。春斗は勉強も頑張ってるしな」
「がっ、学生だから、勉強するのは普通の事だしっ!」
…可愛くない
なんでこんなに可愛く言えない?
仁の前だと、良いところしか見せたくなくて
ちゃんとできてるんだ、しっかりしてるんだ
って思って欲しい。
俺だって、仁の同等なんだって思って欲しいのに…
「偉いな、春斗」
「当たり前だからっ!」
素直になれない
色々アピールして
でもこれって伝わってるのかな?
俺が好きだってアピールできてる?
「仁はなんか欲しいもんないの?」
もっと努力しないと。
その為には!リサーチしなきゃ!!
「うーん?そうだなぁ。いつも着てるブランドのスーツが欲しいかな」
す、スーツか…
スーツ姿の仁は…好きだ
大人の男って感じでかっこいい
仁って別にイケメンって訳じゃないけど
仕草とか、落ち着き方とか
なんでも受け入れてくれる姿が、かっこ良すぎる
「でも、30万位するから無理なんだよなぁ」
苦笑いする仁に、俺は呆れる
「……あっそう」
無理です
つーかさ、欲しいもの聞いたら、くれるのかなぁー?
とか思うもんじゃね?
「はぁ〜…」
伝わってる?
もどかしいよ。
こんなに近くにいても、伝わらないなんて…
こんなに仁のこと、好きなのに…
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