アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
指輪2by栗橋
-
「ちょっと、トイレ!」
少し散歩コースを歩いていると、春斗が言った。
「おー、そこの土産屋で待ってるわ」
ごちゃごちゃした、土産屋にはいる
食べ物、ストラップ、…木刀?
誰が買うんだよ
ちらりと目に入ったのはおもちゃの指輪
蒼先輩の右手が浮かぶ
「…本当に、女々しいな、俺」
貰った時、どんな顔をしたのかな?
きっと凄く笑顔で…
それとも泣いてたのかな?
あの人、結構泣き虫だから。
そう思えば自然と微笑んでしまって
「仁!!」
「うおっ!!」
びっくりした顔の春斗
「どうかした?」
「あー…いや」
俺の手元を見て、春斗の顔が明るくなる
「ちゃっちぃ指輪!仁、それ欲しいの?」
「ばーか」
額を軽くデコピンする
「いってーな…そだ!これ二個あるしお揃いでつけ…」
途端に赤く染まる頬
「なに赤くなってんだよ。」
「べ、別にっ…」
なるほど、お揃いでつけたいのか
こんなおもちゃを?
「ほら、もう行くぞ」
「ま、待って!!!」
真っ赤な顔のまま、シャツを引っ張られる
「どうした?」
もじもじとして、なかなか言わない
何が言いたいのか分かってるけど
その様子が可愛くて、あえて意地悪する
「…買ってほしい。その…つけなくていいから、欲しい、な」
こいつは人を動かす方法を知ってると思う
こんな真っ赤で、俯いて、遠慮がちに言われたら
「…持ってきなさい」
「うんっ!!」
その弾ける笑顔。
輝く瞳
断る勇気が、出るだろうか
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
139 / 267