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指輪4by栗橋
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「でも、辛いけど、好きになる事って、いいことかもだよな」
にっこりと春斗は笑う
可愛くて、儚くて、でも希望のある笑顔
「俺、仁に会うまで誰かの為に何かをしようって思ったことなくて…」
照れたように、春斗は笑う
「俺さ…仁に好きでいてもらう為に、もっと頑張らなくちゃって思うんだ。
そういう自分って、嫌いじゃないかも」
蔑むばかりだった春斗が、変わろうとしてる
ちょっとずつ、自信をつけて
「その、あのー。何が言いたいかと言うと…仁が蒼さんを好きになった事は、悪い事なんかじゃないんだよ!…ってこと」
不器用な伝え方
でも、伝わってくる優しさ
人を好きになる事は、間違いなんかじゃない
蒼先輩も、そう言ってくれてたじゃないか
幸せになる為の人が、俺じゃなくても
俺が蒼先輩を好きだったのは
悪い過去なんかじゃない。
ドキドキして、イライラして
もどかしくて、でも好きな人が嬉しそうにしてると
俺まで、つい嬉しくなる
疲れる、けど、それは悪くない
人を好きになるのが
悪いなんて…そんな事ない
すっと心が軽くなった気がした
目の前が開けていく気がして
「ありがとう」
「う、うん?わからないけど…
仁が元気出してくれるなら、俺はそれでいいよっ」
あぁ、この子は本当に
俺の事を好きなんだ
俺を思ってくれてるんだ
じんわりと、心に染み渡ってくる
頭を撫でて、頬を撫でて
可愛い…
可愛い
可愛い
俺を本気で好きになってくれてる
それが嬉しい
だけど…これは違う
可愛い、弟みたいな存在
チクリと胸に小さく針がささる。
違和感を感じる
けど、今は深く考えたくない
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