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仄かな灯2
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「そろそろ帰ろうかっ?」
パッと手を引っ込める
「あ、え、そ…そう?」
タイミング悪ぅ…
「もう、満足したか?」
「まっ、まーな…」
全然だよ。
2人でいたのに、恋人っぽい事できなかったし
そういう雰囲気にもならなかった。
というか、仁はそういうことしたいと思わないのか?
「じゃ、帰るか!」
仁は笑うと、そのまま来た道を引き返す
俺は足を動かせなかった。
早く、帰りたいのか?
つまんなかったか?
一緒にいたいと思わないのか?
「仁っ!」
このまま帰るなんて、やだ。
手も繋がない
抱きしめもしない
キスもしない
何にも発展しない関係に、終止符を打ちたい
「なに?」
「あの…」
言え
大丈夫、我儘でも、仁ならきいてくれる
「あの、はっ花火しない?」
バッグから線香花火を取り出す
瀬奈さんに持たされたアイテム
2人で、静かに出来るからって
「どこで?」
「えっ、あ、あそこっ!!」
山道から少し降りたところに、河原があって
丸みを帯びた石がゴロゴロしてる
「ありなの?」
仁の顔は困ってる時の顔
ちょっと躊躇うけど、でも。
「いいからっ!!」
服の裾を引っ張って、ズルズルと連れて行く
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