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仄かな灯3
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「春斗、許可とか…」
「固いこというなよっ!!」
「でも、そういうのは…」
もーうじゃうじゃ煩いよ
「そんなに…早く帰りたい?」
伺うように聞けば、仁は頭を掻いた
「…ったく。今回だけだぞ。秘密な」
「うん!」
ライター
ゴミ袋
瀬奈さんの用意は完璧だった。
「この時期に花火とはなぁ」
「いいじゃん!暑いし!」
「そういう問題?」
くすくすと笑いあって
むかいあってしゃがむ
日はとっくに暮れて、人はもう通ってなかった。
近くの街灯を頼りに、火をつける
「おー…地味だ」
「地味だよな」
線香花火って、小さな炎の花みたい
咲いては消えて、また、咲いて消える
その灯に仁の顔が照らされて
優しそうな、垂れる目元も
口端が上がる微笑みも
かっこ良くて、みとれる
「なに?」
「べっつにー!」
子供扱いは嫌い
でも、自分より大人な仁が好き
矛盾して、でもその関係が心地よくて…
「夏になったら、みんなで花火したいな」
栗橋一家と俺
どんなに楽しいだろう
「うん…」
でもなんで、みんな、なんだろう
2人でじゃないのかな?
俺は、2人でできたら嬉しい
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