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仄かな灯5
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ぽぅっと灯がともる
仁が新しく線香花火に火をつけて
優しくて、穏やかな光に包まれる
あっためてくれるのも、明るい場所に連れてきてくれるのも
全部、仁
仁がいなきゃ、俺はきっと一人で
人のことが大嫌いで、生きたんだろうな。
よかった
会えてよかった
あの時、思い切って外に出てよかった
「好きだよ、仁」
誰かに優しくしたいと思ったのは、初めてで
機嫌を伺うのも
触れたいという思いが
激しくなったり、じんわりと反芻したりするのも、仁が初めて
好きが、欲しい
好きと言って欲しい
「はると…」
でも仁の瞳には
微かに迷いがある気がして、不安になる
「好きって、言ってよ…」
強制するもんじゃ無い
でも、その言葉が欲しい
一言でも
「春斗…あの、な…」
言いづらそうな、仁
好きと言ってくれたら
俺から抱きしめても、キスをしても怒られないよな?
「仁、お願い…」
「あの、俺は…」
仁に触ってくれる許可が、欲しい
好きって言ってもらえると
触っても、いいよね?
「もしかして…困ってる?」
仁が鼻の頭を搔く時は、困ってる時
好きなんて、一言だけど
困らせるつもりじゃ、なかったのに
仁を困らせるくらいなら
俺の我儘なんて聞いてもらえなくていい
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