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仄かな灯6
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「冗談だよー!ばかじん!」
「えっ」
本当は、好きって言って欲しいけど
困らせたくない
「本気で困ってやんの!!」
「まったく」
仁は安心したように笑った
安心、するんだ
胸に何がつっかえたみたいに、苦しくなる
「っ大人になるとそう簡単に言えません」
「えー!」
抗議の声を聞いて、仁は優しく笑った
「もう、帰ろう…な?満足したろ?」
どうして、帰りたがる?
花火、まだ残ってるよ
最後までしないの?
俺は最後までしたいよ
仁と一緒にしたいよ
「そーだなっ!!夜はやっぱり寒いし!」
仁が帰りたいのに、そんなこと言ったら
嫌われる
せっかく付き合って貰ってるのに…
言葉を飲み込むように、息を飲む
押し殺して、胸がつっかえる
ゴミ袋に、ゴミを詰めて
仁は、満足したように帰ろうとする
本当に、早く帰りたいんだ
好き、なんて口で言わない?
でも言ってほしい
「俺のこと…好きじゃ、ないのかな」
不安を口にして、後悔
口にすると、実感が湧く
好きじゃない、そうかも
でも、付き合うって
好き同士だから出来ることじゃないの?
手も、繋がない
キスもしない
子供と大人、それだけの距離じゃない気がする
根本的に…
もっともっと大きな距離がある
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