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栗橋の気持ちby栗橋
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『好きって言ってよ』
とっさに言われて、何も返せなかった
春斗への気持ちって
どっちなのか、わからない
弟して?
恋愛相手として?
俺には区別がつかない
でも、一つだけ言えることは
春斗には普通の幸せを掴ませたい
それだけのこと。
だから、好きだなんて、簡単に言えない
だけどこのままでいいのか?
まるで、騙してるみたいだ…
そんな疑問に思考が、占領されていく
だから春斗が何かを必死に話しかけてきても
俺は生返事を返すしかできなかった
ふと気がつくと
泣きそうに、顔を真っ赤にさせた春斗が
苦しそうに、そこにいた
「好きって、言われなくても…いいから
好きじゃなくても、いいから
それでも、俺は…仁が好き」
「はる、と…」
嘘だ
すぐにわかる
今にも溢れ出しそうな涙が、欲してる
俺を…俺の好きを
本気で、俺を好きなんだ
胸に突き刺さるような、春斗の思い
1人にさせてと言われても
そんなのできるはずない
手を掴むと、でもすぐに払いのけられる
震える肩は
すぐに俺の目の前から消えていき
遠ざかっていく
「どうして…」
どうして…そんなに純粋なんだ
どうしたらいいんだよ
子供だと、甘く見てた
こんなに揺さぶられるなんて
「くそっ」
上手くいかない
付き合って、自信をつけさせて、そして別れる
そうする筈だったのに…
「泣かせるなんて…俺は…」
泣かせたくないのに。
どうして、上手くいかない?
「落ち着け…とにかく、春斗を追いかけなきゃ」
落ち着け。
もう、感情で行動する歳じゃない
何をどうするべきか、考えなきゃ
『仁が、好き』
「ーっ!」
落ち着け
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