アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
願い事3
-
仁の顔が、俯いていく
「俺は、春斗の純粋な所が良いと思うよ」
「それって、子供って事じゃん」
「違う。お前はスレてるみたいで、本当は誰よりも純粋だよ。純粋で真っ直ぐで…」
仁は何かを観念したように、続けた
「そんな所が、好きだよ」
好きって言って欲しかった
ずっと欲しかったものなのに…
投げやりに、言われてるみたいで
そう言わなきゃ、俺が満足しないみたいな言い方
白々しい母さんと一緒の言葉
無理矢理
好きって言わせてるんだ
「…ありがとう」
それを問い詰めるだけの勇気、ない
ないけど、胸にはしこりが増えていく
好きって褒めてくれたんだよ?
嬉しい事じゃないか
なのになんで?
こんな苦しいの。
好き同士で付き合ってるはずなのに
でも、深く聞くのは怖い
「…なんで、泣くんだ」
ほろほろと、涙が止まらない
泣きたくなんてない
なのに、止められないのはなんで?
胸の中にある疑問
それが、どんどん不安になる
「仁、本当は…」
「はる…と」
「本当は…俺の事…」
信じたいのに
何度も頭の中に湧いてくる疑問
好きじゃない?
別の理由で付き合ってくれてる?
例えば
蒼さんを忘れる、ため
だから、好きじゃないのに付き合ってるとか
「俺は…」
仁は言うのを詰まる
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
153 / 267