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誕生日準備
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と言うわけで
早速次の日、プレゼントを買いに来た
「す、スーツ…」
新宿百貨店の老舗、紳士服の階で
柱の陰から覗く
「大人っぽい…入りづらいっ」
黒を基調とした、大人っぽいスーツ屋さん
店員も、明るい髪にきっちり整えてるし
おしゃれー…
自分を見て
2年間着古した学ラン
摩擦でツルツルしてるし、正直あまりいいものじゃない
制服でくるんじゃなかった…
あからさまに見窄らしい
でも、ここじゃなきゃこのブランドないし
「よ、よし…」
仁が前、欲しいって言ってた、ブランドスーツ
お金は用意してきたし!
喜んで欲しいから、1番欲しいものをあげるんだ
そのためなら、恥ずかしさなんて、大丈夫
いそいそと、店に入る
よし!気づかれてない
そおっとスーツのコーナーに行く
かっこいい
きっちりと体型にあった形のスーツ
色も形も種類がたくさんあるし
「お客様ぁ〜、何かお探しですか〜?」
「うっ、は、はいっ!」
チャラそうな店員だな
店員は俺を上から下まで眺める
「…あの、す、スーツをプレゼントで…」
「予算はいくらっすか〜?」
「ご、5万…」
そう言うと、店員さんは少し困った顔風にして
「申し訳ないっすけど〜、うちじゃ5万じゃスーツは買えませんよ?最低10はないと」
「えっ…そうなん、ですか」
この店員、嫌だな
じろじろと見られて、居心地悪いし
早く帰れって言われてるみたい
でも、仁にプレゼントするなら
ここのスーツって決めてたし
どう、しよう
仁にまた子供扱いされる
欲しいものさえ、あげられないなんて…
自分の無力さに、悲しくなってきた。
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