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亀裂
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「瑞生さん?電話ですか?」
「あ、祥お帰り。何もないよ、ここ座って」
「……はい」
「……少し酔い覚めた?」
「へへ、少しだけ」
「そっか、飲む?」
「………はい今日はもう飲み倒します!」
「ふふっ祥、さっきと言ってることが違うよ〜」
瑞生さんは優しく微笑むと俺の頭を撫でてくれた
お酒を飲みながら少ししてさっきよりもアルコールが回ったのがわかる。
もう全然力も入らないし頭がずっとふわふわして気持ちいい
「……祥、もう飲むのやめときな?」
「ほえ?なんれ?」
「…………あちゃーめちゃくちゃ酔回ってるね〜」
瑞生さんは俺のことを見ながら何か言っているが俺はうまく聞き取れなくて首を傾げてばかりだ
そんな俺に瑞生さんは苦笑をしながら手からお酒の入ったグラスを抜き取ると俺の頭を再び撫でる
「……瑞生さんってぇ…頭撫でるの…好きれすよねぇ」
「……そうかも…祥の綺麗な髪好きだよ」
「うふふっ瑞生さんに好きって言われちゃいましたぁ〜」
「……凄い豹変ぶりだね」
「ひょうへん…?」
「いっつも凛としてるのに今はとろとろだし甘えん坊さんだね祥は」
「………甘えん坊………嫌ですか?」
「ううん、好きだよ」
「……そう言えば…瑞生さんの好きな人って?俺の話ばっかだったから…俺でよかったら聞かせてくらさい!」
「……俺の好きな人か〜」
瑞生さんはふと間をあけると再び俺の目を見つめて話し出した
「……初めて本気で好きになったかもしれない」
「初めて…?」
「うん、今迄好きって良く分からないから俺の事を好きな人を好きになってきた」
「……瑞生しゃんを好きな人を?」
「そう、好きな人に愛された分俺も同じように返してた。でもどこか満足出来なくてね、フラフラ沢山遊んでたらある子に会って…一目惚れかもしれない」
「……瑞生しゃんが…一目惚れ…きっと凄い素敵な人なんれしょうね」
「ふふっ祥…呂律が回ってないよ、しっかりものの祥なのにこんな一面があるなんてびっくり」
「うっ……ごめんらさい…」
「ううん、気にしないで…水でも取ってくる」
「……いいです…大丈夫だから…瑞生さん…話してくらさい…」
俺は気遣って席を立とうとした瑞生さんの腰に思わずしがみついて止めてしまった
なんとなく瑞生さんが悲しそうな顔をした気がしたんだ
どこか遠くを見るような、そんな憂いた目
瑞生さんを怖いって思った理由って確か何を考えてるか分からなかったからだ
人って皆気持ちの動きで微かに空気が変わるのに瑞生さんは2年間関わってきたけど一度もそんな素振りが見えなかった
いつも同じく自由奔放で人に弱味を見せない
でも目を合わせると何かがじんわり心に入り込んでくるようで、なのに何を考えてるかわからないから俺はこの人を怖いと何処かで思ったんだ
でもそんな怒りも悲しみも喜びも顔に出すことのない瑞生さんの瞳が微かに揺れた気がして今ここで行かせたらもう二度と瑞生さんの真ん中に触れられないきがして
思わず俺は瑞生さんを止めてしまった
「………祥、本当…ひどい奴…」
「えっ」
瑞生さんはぽつりとそんなことを呟くと腰に抱きついている俺を抱きかかえてベットへと下ろした
「え……瑞生さん……」
「………祥…俺の好きな子はお前だよ…」
「……………え?」
「俺に笑いかけてくれたのはお前だった…祥、俺はお前が好きだよ…」
瑞生さんはそう言うと俺の手首をベットのシーツに貼り付け拘束しキスをしてきた
「んんっ!んーーーっ…ふっ…んんっ…みっ…きさ…んあっ」
「……祥、好き」
「んーー…んぁ…ふぅん……んっ」
祥さんは優しく優しくいつも俺の頭を撫でてくれた時のように何度も角度を変えてキスをしてくる
アルコールが入って自由の効かない体に弱いキスをされて簡単に力が抜けてしまう
俺の口から離れた瑞生さんの口からは銀糸が引いていて、その先に熱く燃えるような目をして見下ろす瑞生さんがいて体が熱くなる
ぼんやりと瑞生さんを見つめているといつの間に俺の手を離したのかシャツのボタンを外していく
前だけを開き俺の上半身が見えると瑞生さんがごくっと唾を飲み込むのがわかった
「……祥…綺麗」
瑞生さんはそういうと長い斜めに流している前髪を荒々しく掻き上げて、薄く形のいい唇を舐める
ズクン ズクン
俺の体を流れ回る全身の血が沸き立つのがわかった
(…瑞生さん…本気だ…)
今迄の掴み所のない表情が嘘のように俺に欲情しているその目はギラギラしていて体が強ばるのがわかる
「……祥…俺のこと…好きになってよ」
「えっ…瑞生さ…んんっ」
瑞生さんはそう言うと俺の胸に顔を下ろして乳首を舐めあげた
久しぶりのその感覚にビクビクと体が期待に震え上がる
「…祥の乳首可愛い、ここ好きなの?」
「やっ…だ、め…瑞生さんっ…だめです!」
「俺はセフレになんかしない……祥だけ好きでいるよ…祥しか好きじゃない」
瑞生さんは俺の目を見つめると力強くそう言ってくれた
ドキドキした、胸が熱くなって
こんなに思ってくれる人なんてなかなか居ないだろうって
でも瑞生さんの告白を聞きながら頭に浮かんだのは直輝だった
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