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ハプニングは唐突に
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祥と下らない喧嘩を始めてから1週間
毎日毎日飽きもせず
お互い意地を張ったまま攻防戦の繰り返しだった
俺が始めたせいだけど
ゲームを降りる気は無いのか祥も毎回何かしらの嫌がらせをしてくる
その度笑顔で火花は散るし
やられたら倍になってやり返すから
俺達の喧嘩はヒートアップしていた
だけど今回は俺から謝る気なんてサラサラ無かった訳だけど
祥のどんな嫌がらせよりも
俺の前で知らない奴と楽しそうに笑ってるその素での行動の方がよっぽど堪えた
いちいち触らせるわ
抱きつかせるわあいつ本当に危機感無いのかよ
何て事を毎回毎回思うわけで
いつもと違うのは
今は喧嘩していて不安になった分を埋められないって事
不安なのは祥だけじゃないし
俺も遊んできた事実をどうこう言うつもりは無いけど
俺だっていつ祥に捨てられるか不安だって気持ちが無いわけがないんだ
俺と祥の関係はいつだって
祥を中心に回っていて
俺が何を言っても思っても
祥が別れるって口にしたら俺はもう何も出来ない
俺達の関係を握ってるのは祥なんだ
祥も俺を好きでいてくれてるのは
前よりもうんと伝わってくるけど
祥は俺を好きでも
俺は祥に惚れている
この違いは大きい
惚れた方がいつだって弱いんだから
「あー腹立つな……」
今日の祥が俺にしてきた嫌がらせ相当腹が立った
明日は絶対祥からごめんって言わせてやる
そう、目論んでいた時インターホンの音が部屋に響いた
「誰だ?」
マンションに入る為にフロントを通らなくちゃならない
今鳴ったのは鍵を解除する為に呼び出すものじゃなくて俺の家のチャイムだった
誰も通してないし
部屋でも間違えたのかと無視しようとした時それを遮るかのように何度も何度もチャイムが鳴り響く
居留守してる間に近所迷惑になりそうだ
さっさと出て追い払おうと思った俺は扉を開けて一層不快そうな顔をする事になった
「……祥」
「あ、え? 直輝さん?」
「こいつどうしたの?」
「あ……あはは、酔い潰れちゃって」
「……運んできてくれてありがと。 遅くに悪かったな」
「全然ですよ! じゃあ俺帰りますね」
扉を開けた先酒の匂いを漂わせた後輩と
その肩に腕を巻き付けて眠りこくっている祥がいた
俺が居るのに驚いてたって事は祥がまた酔ってわけわからないままここが家とでも言ったんだろ
「おい、祥」
「……」
「はぁ、ったく本当に」
ぐでんと今にも倒れそうな程ぐっすり眠っている祥を抱き上げると寝室へと連れていく
簡単に抱っこ出来てしまう事に少し不安を感じる
最近本当に痩せた
こいつ大丈夫なんだろうかって
そう考えながらもスヤスヤ眠る祥の顔を見ると久し振りに触れられた事に笑が零れた
ベットのうえにそっと下ろすと
この後起きてからきっと気持ち悪いだとか言い出すだろうからリビングに水を取りに行った
「祥、水飲めるか?」
「……んぅ」
「無理そうかな……」
ベットに腰かけて眠る祥に尋ねても反応なし
少し体を揺すっただけでも機嫌悪そうに眉を潜めていたから下手に起こすのは辞めよう
そう思ってベットから立ち上がった時
視界がぐるっと反転した
「……は?」
「……ん、直輝」
「……」
祥が起きている
それは良いことだ
水も飲ませられるし着替えもさせやすくなる
ただおかしい事って言ったら
ベットの上で俺は祥に組み敷かれていてうつ伏せのまま腕をねじ上げられている事
良く刑事ドラマに出てくる
悪いやつを倒すシーンみたいに
祥に俺は右腕を捻りあげられたまま動く事が出来なかった
「祥何してんの?」
「……」
「おい寝ぼけてんのか?」
「動いちゃダメ」
「いっ……!」
「動いたら折るからね」
「……」
そんな物騒な事を言いながら
ギリギリと力が増す
あ、本気だ……
こいつ俺が動いたら本気で折るな
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