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体育祭の季節
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青空が高くて秋の快晴は気持ちがいい
暑い夏も過ぎて落ち着いた空気が流れている
そんな秋が好きだし
今日は特に綺麗な秋晴れで気持ちが高なっていた
ガヤガヤ、ガヤガヤと楽しそうな声が空に吸い込まれるようにあっちこっちから聞こえる
盛り上がっている楽しそうな声は
さっきからずっと大盛り上がりで静まることは無い
今日は直輝の学校行事である体育祭を見に来ていた
朝からお弁当なんか作っちゃって
髪の毛も何度も確認なんかしちゃって
ドキドキしながら学校に来たわけだけど
来る前の高揚感はどこへと消えたのか今すぐにでも帰りたい気分だった
「しょ、う、ちゃーん」
「……離せっ暑苦しいんだよ!」
「祥照れてんだ?」
「ふざけんなっ! もう、やめろってば!」
「いいじゃん、俺この日だけの為に学校通ってたって感じ」
「そんな大袈裟な事じゃないだろっ」
ガミガミ、ギャンギャン
言い合いしてるのはいつもの事だけど
直輝の学校で、直輝に後ろから抱きしめられながら居るのはいつもより注目度が違う
直輝がモデルって皆知ってるし
高校自体他にも芸能活動してる人とか多いみたいでとにかく人が多い
わざわざ休日にやるぐらいだから
文化祭の時よりも人が多い気がする
皆写真撮りにも来てるみたいで
その中でも多くの注目を集めているのは直輝で大勢のファンに取り囲まれていた
「直輝くーんっ、こっち向いてー!」
「こっちもー!」
キャーなんて黄色い声が飛び交う
呼ばれた方へ直輝が手を振ると
ニコリと微笑んで俺を手繰り寄せたまま頬にキスをした
「〜〜っ! だ、だからっ!」
「ん?」
ほら……もう……
キスをした途端黄色い声が一層湧き上がる
キャーを通り越して
もはやギャーって聞こえるぐらいだ
男二人が抱き合っても何も面白くない筈なのに女の子達は目をハートにして直輝を見つめていて
直輝が俺になにかする度
叫び声にも似た声が上がっていた
「も、本当に帰る……っ」
「どうして?」
「分かれよバカッ」
本当、馬鹿野郎
なんで?だなんてムカつく
恋人が目の前で女の子たちにきゃあきゃあ言われてるの見て嫌な気分にならないわけがない
かっこいいー、とか
私にもキスしてー、とか
そんなの、ダメ……。
直輝は俺と付き合ってるんだから……
「なんだ、妬いちゃった?」
「〜〜っ」
「あははっ、祥妬いちゃったんだ」
「うるさいっ!」
「もー可愛いなぁ。 俺がぎゅうもチューもするのは祥だけだよ? 勿論エッチな事もな」
「なっ……! な、何言ってんだバカ!」
「何っていつもと同じく俺達の会話」
「周りに聞こえたら」
「そんなのどうでもいい。 構うかよ、俺達の知ったことじゃないだろ?」
「……ッ、バカ直輝……」
「どーも」
当たり前のように直輝がそんなことを言って
堂々としているから俺一人で慌ててるのが馬鹿みたいだ
それとヤキモチ妬いたりとか
なんか俺ばっか余裕なくてかっこ悪い
「祥、今日は1日中俺と居るだろ?」
「何言ってんの……、直輝は競技があるでしょ」
「そんなのサボる」
「はあ?! なら俺何の為に来たんだよ!」
「俺と学校でイチャラブする為?」
「へ、変態! 違うよ……っ」
「へえ、本当に? 1ミリも想像しなかったの?」
「うっ……」
「学校で、教室で、俺とイケナイ事しちゃうかもとかほんの少しも考えなかったんだ?」
「か、考えてなんか……」
「嘘ついたらお仕置きするよ」
「ん……っ」
後ろから抱きしめられたまま手首をつかまれて首元を吸われる
髪の毛に顔を埋めて耳の後ろで
いつもより低い声で直輝が囁くからゾクリと腰が震えて声が漏れてしまった
どく、どく、って心臓の音が段々と早くなってきて微かに開いた唇から言葉が零れそうになった時背中に感じていた温もりがパッと離れた
「おい、直輝何してんだ。 祥の事いつまでも虐めてんじゃねーよ」
「せっ、聖夜……っ!」
「祥大丈夫か? ん……、顔赤いぞ?」
「だ、大丈夫っ」
「……ならいいけどよ」
急に現れた聖夜が直輝の手首を掴んでいて
一層心臓がバクバクとする
俺と直輝が付き合っていること聖夜は勿論知ってはいるけどだからってそういうイチャイチャしてる所人に見せるのはやっぱりちょっと恥ずかしいし後ろめたい
ドキドキする心臓に手を当てて深呼吸をしていたら直輝がなにやら不機嫌そうな声を上げていた
「本当タイミング悪いよな」
「ん? 何がだよ」
「聖夜のこと言ってるんだ。 ムッツリのせいで祥からあともう少しで可愛いおねだりが聞けたのに聞けなかった」
「だからっ、ムッツリじゃねーって!」
「ムッツリだろ。 ムッツリ聖夜」
「お前がオープン過ぎんだよ!」
「オープンの方がまだいい。 俺は聖夜みたいに先生今日はいい匂いしたなぁ〜、先生の寝顔可愛いなぁ〜、先生のパンツ欲しいなぁ〜なんて事一人で思ったりしないからな」
「な、なんで分かんだ……?」
「……聖夜まじで今みたいなこと思ってたのか?」
「好きな奴にならそうなるんじゃねーの……?」
「生徒会長ってそんなに大変なんだな。 聖夜が犯罪に走らない事祈ってるよ」
腕を組んで壁に寄りかかった直輝が呆れたように聖夜を見つめて話す
一方聖夜は何がおかしいのかどうして当てられたのか不思議そうに考えていて相変わらず少しズレていて思わず笑ってしまう
ああ、懐かしいなぁ
中学の時はこうやっていつも3人で話していた
二人のこの噛み合わない話も相変わらずでなんだかホッコリとする
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