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指令は?
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そんな2人を微笑ましく見ていたら
カード迄辿りついた直輝の動きが一瞬止まる
そう言えば聖夜が
ここの学校の借り物競争は変な司令ばっかって言ってた
直輝も変なのだったのかな?
立ち止まったまま動かない直輝に
後ろから追いついた他の生徒達が紙を開いて絶句したり驚愕したり喜んだり
それぞれ違う表情を浮かべてどこかへ駆け出していく
だけど直輝は未だ動かないままだ
『おっとー?! 直輝選手未だ立ち止まったまま! 一体どんな内容だったんでしょう〜』
楽しそうに様子を実況して行くアナウンス
その声にハッとしたように直輝がやっと動き出した
ぐるっとこっちを振り返った直輝とバチッと目が合う
どうしたんだろ……
そう思った時真っ直ぐ直輝が走ってきた
そのまま曲がることもなくて
ワーッキャーッて騒がしくなる俺達の目の前
少し複雑そうな顔をした直輝が立ち止まると
息つく暇もなく手を引かれた
「祥、一緒に来て」
「え?!」
それだけ言って直輝が手を引いたまま駆け出す
釣られるままに俺も走り出したけど
途端に腰に痛みが走って小さく声が漏れた
「祥?」
「だ、大丈夫……っ」
「腰か……。 後で怒られるから今は大人しくしてろよ」
「へ?!」
ズキズキ痛む腰をさすりながら駆け出そうとした時直輝がこっちに歩み寄るとそんなことをいった
途端にふわりと足が地面から浮いて体が持ちあがる
ギョッとしたままの俺を直輝がお姫様抱っこすると再び走り出した
「なななっ! 直輝!」
「悪いけど今は大人しくしてろ」
「走れるから!」
「無理だろあんだけセックスしたし。 てか舌噛むから喋るな」
「〜〜っ」
セックスしたとかサラッというなよ……!
言いたい事を飲み込むと、
ぎゅうっと頭を胸に押し付けられる
「……」
俺の顔が見えないように
きっと気を使ってくれたんだ
こうなったら大人しくしてるしかないし
抵抗するのは辞めてチラリと直輝を見上げる
俺のこと抱っこしながら走ってるのに
直輝は全然余裕そうな顔してて
だけど心臓は凄く早くて
恥ずかしいってより申し訳ないって気持ちでいっぱいになった
「内容確認します」
散々遅くなったけど何とか遅れを取り戻して係の人の所へ二番着
そう言われるまま直輝が紙をその人に渡して
内容を確認した途端、その人の顔が赤くなった
「えっと……間違いないですか?」
「ない」
「じゃあ……お願いします」
なんで係の人がオロオロしてるんだ?
直輝もさっき固まっていたし
何なんだろう
そう思った時
肩をつかまれてぐるっと急に直輝へと体を向けさせらた
「え?」
「祥、好きだよ。 俺と結婚して」
「へ?!」
「目閉じて」
「な、なに?! 待って直輝!」
急にわけのわからない事を言い出した直輝が続けて今度は俺の腰を引いて抱きしめてくる
ぴったりと体がくっついて
逃げようにも逃げられない
おまけに顎を掬われると目閉じろとか言われて
バタバタと暴れだす暇もなく
全校生徒の前でキスをされた
「────ッ?!」
「……」
「ふ……っ、んー!」
目がぐるぐると回って状況に追いつけない
キスされてる?
唇がくっついてる?
なんで?!
驚いたまま動けないでいると
ぬるりと舌が口の中に入ってくる
その刺激に驚いて途端に直輝を押し返すと
ふっと笑った直輝が俺を見下ろしていた
「これでミッションクリア?」
「へ……?! あ、ああ、はい! 行って大丈夫です……!」
「よし、行こうか祥」
「〜〜?!」
もう何がなんだか訳が分からない
再び抱っこされて
最後の100mを走りきる
パーンとまた雷管が鳴って
1位の紙札を貰うと直輝に抱っこされたまま校舎へと向かった
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