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クリスマスは延期
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「直輝……なんで」
「……帰ろ」
「え、えっ! でも、瑞生さん」
「俺と居るよりアイツと居る方がいいってこと?」
「違うっ! そうじゃなくてッ」
そうじゃない
久しぶりに直輝に会えたのに喧嘩したくない
確かに昨日は会えたけど
あれは会ったうちに入るのかも分からないし
こうやってまともな直輝と顔を合わせたのは
多分一ヶ月ぶりだ
「喧嘩……したくない」
「……俺も」
「帰る。 でもちゃんとお礼は言わなきゃ」
「悪かった。 一緒に行こう」
腕を掴まれて無理矢理引っ張られて歩いた店内を再び二人揃って戻る
何だか周りから見たらアホみたいだけど
直輝と一緒に戻ると瑞生さん達にお礼を言った
「あの、瑞生さん」
「俺が呼んだんだよ。 だから気にしないでしっかり話しておいで」
「ほんと、ありがとうございます」
「お礼はこれでいいよ」
「えっ」
直輝に繋がれていない反対の手首をつかまれて引っ張られる
ぐらりと傾いた体は瑞生さんに見事受け止められて驚きと共にほっぺたになにか柔らかいものが触れた
「ッ!」
「み、瑞生さん!」
「ふふっご馳走様でした〜」
さっきよりも見てわかるほどに怒りを含んだ直輝と、あっけなくほっぺたにキスをされて放心の俺達を楽しそうに見つめる瑞生さん
と、そんな三人を再び血眼で見つめるカガリさん……
どうしていつもこうなるんだ……
「直くん、これは祥の事泣かせた罰だから」
「相変わらず手癖悪いな」
「それは直くんも同じでしょ?」
「祥にキスしていいのは俺だけだ」
「だったら泣かせたりするな」
どっちも笑顔だけどバチバチと火花が散っている
カガリさんのお店で喧嘩なんてしたら迷惑をかけてしまうし
これ以上ここにいるのは良くないと判断した俺は直輝の背中を押すと瑞生さん達に頭を下げて慌てて外へと出た
「直輝! 瑞生さんの事アイツとか言ったりするなよ!」
「……」
「話聞いてんのか?!」
「ちょっと黙って」
「──ッ?!」
低くそう言った直輝が俺の腕を掴んで壁に押し付けると唇を塞ぐ
冬の夜空は酷く寒くて
直輝の手も口の中に侵入してきた舌もひんやりとしていた
「ふ……っん、う……ふぁ」
「……」
「んんっ! ぁ……っや、んー!」
何度も角度を変えながらどんどん深くなるキスに体が火照りだす
暖かくなる体温を冷ますように
吹き抜ける風はやっぱり冷たくて
吐く息は白いのに熱っぽい
「んぁっ! 直輝、っ外だよ」
「足りない」
「な、に……っああ!」
コートの中に直輝の手が入っきて
セーターの上から乳首を擦られる
途端にビクビクと跳ねる体はきつく直輝にしがみついて久しぶりの熱に体が熱くて堪らない
「な、おき……っ」
「……口開けて」
「や、ふぇ……んっ、んー」
冷たい指の先が口の中に入ってきて
クチュクチュと舌を弄ぶ
十分舌を擦られても感じてしまう体は
かくん、と腰が抜けて直輝にもたれかかった
「なお……無理ぃ、立てない……」
「……」
「お、願い……家がいい……家でエッチしたいからぁ」
力なく首をふって家に戻りたいと懇願する
だってこんな外じゃ
直輝にしがみついても苦しくて堪らない
もっとちゃんと
時間が許される限りは二人で過ごしたいから
「直輝、家帰ろ」
「……ああ」
「ケーキ、作ったんだ昨日」
「見たよ。 ごめん」
「ううん。 昨日少しでも会えて嬉しかったよ」
「ちゃんと一緒に居てやれなかった」
「大丈夫。 今居る。 それで十分」
「……帰ろっか。 家で遅れたクリスマス二人でしよう」
「うんっ!」
直輝の大きな掌が頬を撫でて
俺もその手に重ねると頬をすり寄せる
鼻先に直輝の香りがたくさん触れて
心臓がポカポカした
「歩いて帰れるか?」
「ふふっ、へーき」
「酒結構飲んだ?」
「ううん。 そこまで」
「なんだ、じゃあエロエロ祥には会えないのか」
「なっ、なんだよバカ!」
「たまにはエロエロニャンニャンな祥もいいだろ」
「ふざけんな! 変態!」
なんていつもと変わらないまま
一ヶ月ぶりにこうして話すのが嘘みたいに直輝と手を繋いで星空の下家へと帰った
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