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クリスマスは延期
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「うう、寒いー」
「こっちおいで、リビングは暖かいから」
「ッ! わ、本当だ!」
手を引かれて入ったリビングは
暖房がついていてホカホカと暖かい
冬の外を歩いて冷えた体に染み込むように体が暖まる
「ほら、ココア」
「ありがと……!」
キッチンへと立っていた直輝がマグカップ二つを持ってやってくる
これまたホカホカの湯気を浮かべた
美味しそうなココアを渡されて心がじんわりと暖かくなった
「美味しい」
「祥」
「え? っ、ん……! んぅ」
呼ばれて振り向くと
直輝が顔を近づけて唇を塞ぐ
さっきのキスとは違う熱い舌が口の中へ入ってきてほんのりとココアの味がした
「ふ……んー……なお、き」
「ごめん寂しい思いさせて」
「……ううん、仕事いつも頑張ってたから」
「……」
「だから直輝は謝らなくていいんだよ」
「祥、こっちおいで」
ふわりと手を掴まれて直輝に引っ張られる
いつもの意地悪な笑顔とかじゃなくて
溶けちゃうみたいに柔らかくて優しい笑顔だから俺もいつもと違って少し素直でいれた
「直輝、暖かい」
「ん」
「……あのね」
「うん」
「…………寂しかった」
「……うん」
「でも、テレビに直輝が映ってるとポカポカしたのも本当だよ」
「ありがとう。 祥の事考えてたよ」
「ふふっ本当に?」
「俺はいつでも祥の事しか考えてない」
「……バーカ、仕事に集中しなきゃ」
「器用だから大丈夫」
「ムカつくやつ」
ソファに倒れこんだまま
直輝の上に乗っかった状態で沢山よしよしされて
髪をなでてもらって背中をとんとんて優しくあやされて暖かく心地よくてふにゃふにゃと笑ってしまう
久しぶりの直輝の匂いにも
俺のこと沢山甘やかしてくれる直輝にも
心がくすぐったくて幸せだ
「昨日、なんで急に帰ってきたの?」
「……無意識」
「無意識?」
「気づいたら帰ってた。 会いたいって思ってたら体が動いて、まだ食事会の途中だったけど祥に会いたくて堪らなかった」
「……っ」
「だからほとんど理性なんかなかったんだけど、俺酷いことしてないか?」
「ううん、してない」
「良かった……歯止めが効かなくなって酷いことしてないか不安だった」
「お風呂で急に抱きついてきた時は驚いたけどね」
「悪かった」
らしくない
素直に謝るなんて
だけど、そんな姿が直輝も俺と同じく寂しかった証拠なのかなって思ったら愛しい
少し余裕ないのも
何だか初々しく思えた
「俺、明後日からパリに行っちゃうから会えてよかった」
「学校の研修のやつか」
「うん。 美容のことでパリに短期研修なんだ」
「……」
「……寂しい?」
「当たり前だろ」
「……ふふっ、俺も寂しい。 直輝の事テレビでも見れなくなっちゃう」
「電話するよ」
「うん。 あははっ何だか遠距離みたいな会話」
「ほんとだな」
クスクス笑うと直輝が俺の手を恋人繋ぎしてきて指を絡めてあそび出す
指先を絡めて、繋いで、なぞられて
指から伝わる温度が恋しくて、愛しい
それがくすぐったくてもっと笑っていたら
おでこにキスをされてそれから沢山あっちこっちにキスをされた
「んっ……あ……」
「キスマーク付けてい?」
「バ、カ……聞くなっ」
「聞きたい」
「〜〜っ、いいに、決まってる」
「ふっ、可愛いよ祥」
「恥ずかしいっ」
手で顔を隠しながら答えていたのに
直輝がそれを許さない
腕を退かされてきっと真っ赤になってるだろう顔を覗き込まれて、直輝が微笑むから胸がぎゅうっと締め付けられた
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