アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
甘い甘いクリスマス
-
◇◇◇
「うう……腰が痛い」
「マッサージする?」
「……変なことするだろ」
「バレた?」
キッと睨む祥の頭をわしゃわしゃと撫でる
リビングに戻って髪を乾かした後
二人で仲良く寝室へと戻った
「祥ー眠い?」
「ううん、まだ平気」
「じゃあ祥にプレゼントがあるんだけど、欲しい人は俺にキスしてくださーい」
「はぁ?!」
クリスマスプレゼント
用意しないわけがない
手に持ったプレゼントの箱をチラつかせてそう言うと
怒ったような喜んだような
とにかく色んな表情を一瞬で見せてくれた祥が腰を支えながら起き上がってきた
「もう沢山しただろ!」
「それはそれ、これはこれ」
「意味わかんない」
「俺にキスするのはプレゼントをもらえる切符だからね」
「〜〜ッ」
「ほら、どうすんの?」
「目ぇつぶれ!」
「ふっはいはい」
どこの王様だよって突っ込み入れたくなるぐらい反り返った祥が指さしてそう言う
言われた通りに大人しく目をつぶると
少しした後に唇にチュッと可愛らしいキスをされた
「今ので終わり?」
「き、キスはキスだし」
「んー……まあいいや、はいプレゼント」
ムッとしてる祥を抱き寄せて
手のひらにプレゼントの箱を渡す
プレゼントってなると丁寧に飾り付けられたラッピングがされていて
どこから剥がすのか
慎重になってワクワクしている祥が可愛くて頬に沢山キスをしていたら怒られた
「わっ! え、嘘だ! ええっ」
「気に入らない?」
「違うっ大好きなやつ!」
「ふふっ良かった」
ラッピングをやっとゴールして
現れた小さな黒い木箱
開けた中身はシルバーのピアスで
祥が好きなブランドの新作だ
「これ! これ凄い嬉しい!」
「俺も喜んでもらえて嬉しい」
「〜〜ッ!」
ぎゅうっと祥がぴょんぴょん跳ねながら抱きついてくる
こういうところ本当に純粋で素直だ
プレゼントでここまで喜んで貰えるなら
何だってあげたいって思うけど
イベントだから祥は素直に受け取ってくれるわけで普段プレゼントなんかしたら謙虚になって遠慮の連続だろうな
「直輝、直輝! 似合う?」
「うん、綺麗。 祥に似合うと思った」
「なっ……!」
「なに、照れたのか?」
「うるさいっ」
早速つけてくれた祥が
艶のある黒髪を耳にかけて見せてくる
細い首も真っ白な肌に似合う
シルバーのシンプルなデザインのピアス
身に付けるものがお洒落な祥に
似合うのを探すのは大変だったけどなかなか楽しかった
やっぱ美容師って誰も彼もがお洒落なんだな
知り合いの美容師も女っぽいとかじゃなくて
どこか洗練されてる男が多いし
それは祥も例外じゃないから
ハズレないか不安だった
「あ、の直輝」
「んー?」
「……俺も、その……あるんだよね」
「え?」
「プッ、プレゼント」
「まじ?」
モジモジして恥ずかしげな祥が立ち上がると鞄の中をゴソゴソと漁る
それから綺麗なネイビー色の袋にラッピングされたプレゼントを手に持つとよたよたとしながら戻ってきた
「これ……気に入るか、分からないけど」
「祥からなら何でも嬉しい」
「ば、バカっ! 何恥ずかしいこと言ってんの」
「ふっ、でもまじでそうだよ」
ぷいっと顔を逸らす祥の頬を撫でてそう言うと
不安そうな面持ちの祥と一緒にラッピングを解く
スウェード生地の四角い箱を取り出して
箱を開けると黒色のレザーで出来たモードなブレスレットがあった
「……これ」
「あ、やだ……?」
「あははっ! 嫌なわけないだろすげー嬉しいんだけど」
「ほんと……?」
「まじで嬉しい」
「良かった」
ホッとしている祥の目の前で早速つける
付けてみるとブレスレットにもっと愛着がわく
見栄えが良くて俺が付ける時計とも合わせやすいデザインにしてくれた
無駄にチャラチャラしていないから尚更気に入ったし大切にしよう
ここ最近ブレスレットを買おうか悩んでいたこと気づいていたんだと思ったら何だかそれだけでも嬉しいからこんな感情になるのはいつぶりだろうかってぐらい喜んだ
「ありがとう。 大切にする」
「えへへ」
嬉しそうに笑う祥を抱きしめて
二人揃ってプレゼント付けたまま暫く何気ない話をする
それから寝ようか、ってなって電気を消すと
トイレから戻ってきた祥がワッと驚く声をあげた
「え?!」
「驚いた?」
「え、凄い! 凄いなにこれ!」
「プラネタリウム」
「星がいっぱい!」
消す前につけた家用のプラネタリウム
星が大好きな祥に本当は
本物の星を見せてやりたかったけどそれが叶わなかったから今日仕事終わりに急いで買って来たやつ
思った以上に喜んでもらえたみたいで俺も嬉しい
「直輝これ……凄い……」
「気に入った? これもクリスマスプレゼント」
「……ありがとう」
「いいえ」
祥と一緒に布団へ潜って
部屋の天井や壁に広がる星を眺める
あれがペテルギウスで、とか
俺は全然分からないけど
祥は本当に幸せそうに教えてくれて
そんな祥と過ごせる時間が
俺にとっては何よりのプレゼントだ
「直輝……ありがとう。 それと、あの、好き……だよ」
「ん?」
「だ、だからっ……大好きッ!」
「聞こえてるよバーカ」
「なっ?! 意地悪すんなっ」
バタバタ暴れる祥の上に乗っかって腋をくすぐる
ケラケラ楽しそうに目に涙を浮かべて笑う祥にキスをして、そしたら祥からもまたキスをしてきて
撫ぜるように何度も何度も優しく唇を重ねあわせた
それから手を繋いで
同じ布団で体温を分け合って
綺麗な星を見ながら
トクトク優しく高鳴る心臓の音と
嬉しそうに笑う祥を抱きしめると静かに眠りへとついた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
238 / 507