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子猫と白ライオン
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そんなこと、綺麗な横顔を見つめながら思っていた時不意に伸びてきた手にほっぺたを思い切り抓られた
「いっ、いひゃい!」
「当たり前よ。 お仕置きしてるんだもの」
「れ、れいひゃ……うぅ……いひゃいれすぅ」
「痛いのが嫌ならここは?」
「へ?! んぁっ……!」
「あらぁ〜いい声で鳴くわね。 今の声最高にキュートよ」
「れ、怜さん!」
「フフッ、ごめんなさい」
「……もう……二度としないでください」
女の子みたいに胸を抑えて睨みつけたってきっと少しも怖くないだろうな……
でもだからって乳首抓るとかそういうのはどうかと思うからしっかりと言わせてもらう
「その状態で夜まで頑張りなさいよ。 明日からは暫く現場の仕事はないんだし」
「……はい」
「美容院でも仕事してここでは雑用してあんたも大変ねぇ。 あたしなら絶対にやらなーい」
「……ふふっ」
だってめんどくさいものなんて言いながら爪を弄っているけど
怜さんが見習いの時は
今以上に壮絶だったて聞いたことある
怜さんも美容院で働きながら
沢山頑張ってこの業界をひとりで登ったって
俺は怜さんの手引きがあるだけ
恵まれているからそれだけでも本当に助かっているんだ
「ほら、切り替えて! 行くわよ」
「はい!」
背中を押されて怜さんと戻る
さり気なくこうして俺からガス抜きしてくれたんだな……
一度、直輝に会ってみよう
全部を取り戻せなくても
元に戻ることは望まないけど、
それでも今の俺と直輝の新しい関係が始まるように
「じゃあ戸締り宜しくね」
「はい」
すべての撮影が終わったあと
直輝に連絡した
「終わったよ。 どこにいる?」
って、ちゃんと
向き合おうって思って
そしたら直ぐに電話で近くに居るから迎えに行くって言われて怜さんも帰った控え室で一人直輝を待っていた
電話番号変わってなかったな……
俺も変えてなかったけど
直輝も変えてなかったんだ
そんな小さな事に変に期待してしまう
三年間一度も連絡を取らなかった
本当に俺達が会ったのは昨日が久し振りで
でも今、まるで昨日の続きみたいに待ち合わせしてまた直輝と話せている
……嬉しい
駄目だって抑えてたけど
やっぱり嬉しい
素直に今俺、喜んでる
それに今朝地味に抱きしめられてたしなんか……
「あー……もう、なにこれ……」
恋してる女の子でもあるまいし
直輝の事思い出して頬が緩むとか
一喜一憂して馬鹿みたいだ
もういい加減夢見る歳でもないのに
それでも俺は何処か少し
直輝に会えて笑顔を見れたことに浮き足立っていた
机に突っ伏して悶々と直輝との今朝のやり取りを思い返していた時カタン、と物音がした
顔を上げて直輝が来たのかって
少し浮ついた気持ちで見渡すと
そこには直輝じゃなくて、
結葵君が立っていた
「あ、寝てるかと思いました」
「結葵君……そろそろ22時過ぎるよ? 早く帰りな」
「祥さんの事待ってたんですけど」
ぷくーっと白くてツヤツヤなほっぺたを膨らませて結葵君がそう言う
子供っぽいその仕草に思わず笑みが零れた
「そうだったんだ、ごめんね。 失礼な事言っちゃったね」
「……別にいいですよー」
「俺のこと待ってたって、話があったの?」
「……祥さん今朝来てたあのかっこいい人って天使直輝って言う有名なモデルですよね?」
「あ……うん……そうだね」
「知り合いなんですか?」
「……幼馴染みなんだ」
「え? 幼馴染み?」
「そう」
「へー……類は友を呼ぶって言いますけど二人ともモテて大変そうですね」
「あははっ! 俺が? ないない」
「本当ですか?」
「本当に! 直輝は凄かったけどね。 俺は全くもって縁がなかったよ」
「あ、でも分かります祥さんがモテない理由」
「あははっ、バッサリ言われちゃった」
「違いますよ」
「へ……?」
「だってこんなに美人だったら女の子が可哀想」
「な、なに……」
「祥さん綺麗だから、きっと高嶺の花だったんでしょうね」
「ちょ……結葵くん……」
隣に座ってあんなに可愛らしく微笑んでいた結葵君が真剣な表情をして俺の手を握る
驚いて手を引っ込めようとしても
しっかりと絡め取られた手は結葵君に引っ張られてしまった
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