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これからのこと
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◆
「直輝っ」
ギュッ、とシャツの裾が引っ張られる。ドアへと伸ばそうとした手を引っ込めると後ろに立つ祥へと顔を向けた。
「う、嘘……! 嫌とか嘘……」
「……」
うん、知ってるよ。なんて言ったら祥はどう思って、どんな反応をするんだろう。こうやって意地悪したくなるのを祥は知っている筈なのにそれでも必ず必死に気持ちを伝えようとする健気な祥が可愛くて、思わず抱きしめるとそのままキスをした。
「なおっ、ん……っ、ぁ、待っ……」
「……はぁ……っ、なに?」
「〜〜っ」
確かめるようなキスに堪らず気持ちいいと言うかのような吐息が漏れる。すると、それを聞いた祥の顔がみるみるうちに朱色に染まった。
自分でもびっくりするほど祥とのキスは気持ち良くて何時間でもしてられる程大好きだ。元々、人に触られるのが好きじゃなかった筈なのに祥とはいつでも触れ合っていたいし繋がっていたい。触られた瞬間の気持ち悪さなんてどこかへ飛んでいって寧ろ幸せで堪らない。
「祥?」
「あ……っ、や……何も、ない」
「本当に?」
「う、っ……。 ……して」
「ん?」
じっと瞳を覗けば、うるうると潤んだ綺麗な瞳が俺をうつす。そして、恥ずかしさから上へ下へと忙しなく視線を彷徨わせると、顔を俯かせて小さく何かを口にした。
何となくは予想がつく。けれどあんまりにも小さなその声じゃ聞き取れなくて、それにちゃんと聞きたい。真っ赤な顔して必死になった、天邪鬼の祥に素直な気持ちを言わせるのが好きなんて少し意地悪だとは思うけど、聞きたいんだ。
「……っ、もっと、……こうして……ッ」
「ふふっ、こう?」
「うっ……も、もっとこうッ!」
そう言いながら祥は俺の手を取って自らの腰へと腕を伸ばす。抱きしめて、その一言をいえば簡単に伝わる事なのに祥にとってはモゾモゾと動いて俺の手を動かすよりも、口にして言葉で伝える方がよっぽど恥ずかしくて、難しいみたいだ。
「祥の腰に手回して、それから? それともこれだけでいいの?」
「〜〜っ」
細い祥の腰に腕を回してもまだ俺達の体がくっつき合うのには随分余裕がある。その隙間を埋めるのはやっぱり祥の言葉だけだ。そんな俺の意図を読み取ったのか、これ以上俺が距離を詰める気が無いと分かったのか、祥は大袈裟なぐらいに唇を噛み締めてショックとでも言いたそうな表情で顔を上げた。
「んー? 唇噛んじゃダメ」
「直輝……ッ」
「なあに」
「もっと、こっち……っ」
「どっち?」
「〜〜っ意地悪!」
「知ってる。 だってわざとだし」
祥の耳元で低く囁けば、とうとう目に涙を溜めながら睨みつけてきた。俺からしたらその表情も凄く可愛くて全然怖くない。寧ろ怒ってるの?それとも俺を誘ってるの?って思うんだけどこれ以上虐めると本当にヘソを曲げるのを知ってるから、もう一度耳元で「素直にならないの?」とだけ囁いて離れた
「どうするの?」
「う、っ、も……」
「……」
「ぎゅ、……っ」
「ぎゅ?」
「ぎ、……ぎゅううっ、てして……欲しいのっ」
「ッ!」
眉をはの字にして困った顔して懇願する祥の可愛さに胸が痛いほど締め付けられる。
ああ、もうほんっとに可愛い、今すぐ押し倒したいし本音を言えばもっともっと虐めて困らせてやりたい
なんて気持ちを堪えてグイッと腰を抱き寄せる。簡単に俺の胸に飛び込んできた華奢なその体を腕の中に閉じ込めて隙間なんて許さない程にくっつき合う。とん、と祥の肩におデコを乗っければフワリと香る髪の毛の匂いにトクトクと心臓が高鳴った。
「なお、き」
「ん?」
「ちゃっ、ちゃんと俺、お願いしたよ……?」
「ふふっ、うん。 そうだねいい子だな祥は」
「〜〜っ」
何かを期待したような甘えた声。
祥の首元から顔を上げておデコにキスをすると、物欲しそうな目で見つめ返された。
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