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これからのこと
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参ったなぁ。
本当その言葉に尽きる。
ここまで弱々しい祥を見たのが初めてで、こんなに不安がらせていると思うと何だか心臓の奥がズキズキとする。
笑いながら祥の頭を撫でて「待ってて」と残すと体温計と毛布を持って戻った。
「熱計ろ?」
「……」
「熱計って、早く直したら、デートしよっか」
「ッ!」
「ふふっ、どう? したくない?」
「……別に」
「別に?」
「…………したい」
「したいんだ」
唇を尖らせて、視線を逸らしながら祥が答える。素直な態度に普段もこのぐらい、ツンの割合が低ければ下らない口喧嘩にはならないんだろうとは思うけど、祥の天邪鬼な所もツンケンして一人で落ち込んで反省してる部分も何もかもが可愛いから、結局祥なら何でも好きなんだ。
「どこ行きたい?」
「……どこでもいい」
「んー」
「直輝が居るなら……俺、どこでも良い」
「……祥ー、大好きだよ」
「……っ、俺、さっき」
「うん」
「起きたらッ、……グス、ッ直輝が、居なくて」
「うん、ごめん」
「全部、ぜんぶっ、俺が見た夢って……うぅッ……こわ、かったぁ」
「夢じゃないよ。 ごめん一人にして。 もうしないから、もう二度と一人にしない」
「う……ッ、っひく……」
唇を噛み締めて必死に泣くのを堪えてる祥の頭を抱き寄せる。そのまま髪にキスをして、震える体を抱き締めると前よりも細くなった腕が弱々しく俺のシャツを握りしめた。
「泣き虫」
「ッ、グス……うるさいッ、バカ」
「そんなに泣いたら目腫れちゃうよ」
「お前のせいだからな……ッ」
「じゃあ責任取らなきゃ」
「へ……?」
嗚咽を漏らす祥の頬を撫でて顎を掬う。横向きに抱きしめる祥の顔をこちらに向かせると、ちゅっと啄む様にキスをした。
「泣き止んだ?」
「……」
「ふふっ」
祥が小さく首を横に振る。そんな可愛いお強請りをする祥に微笑むともう一度唇にキスをする。それからぽーっと熱で赤く染まった顔をして見上げてくる祥と、どちらからともなく吸い寄せられる様に深いキスをした。
「んぅ……ふ、ん……っ」
「祥大好きだよ」
「……もっと、ちゅう……したい」
耳まで赤く染めて素直に求める祥に応えて再び深くキスをする。それから長い間、触れ合う様に、甘いキスをして、気付けば時間は思った以上に長く過ぎていた。
「んッ、……祥、先に薬飲もう?」
「……」
「水取ってくるよ」
「……っ、ん」
「祥?」
足の間に座る祥がもじもじと足を擦る。トイレに行きたいのかと思ったけど、隠そうとする祥の顔を覗きこんで理由が分かった。
「勃っちゃった?」
「〜〜っ」
聞いた途端にビクつく体をと、とろんとしたまま惚けてる瞳は色気がダダ漏れで危うく俺まで勃ちそうになる。
大切だからこんな戻って来て直ぐに抱くのは何だか嫌で。もっとちゃんと大切にしたい。だからずっと俺も我慢して抑えていたのに、祥の表情一つで呆気なく理性が崩れそうで堪えきれなかったらあんまりすぎるだろ。
ここは何があっても手を出すなと繰り返し記憶の中にある嫌な思い出を思い返して必死に熱を冷ます。
「なお……っ」
「あー、トイレ行くか?」
「ッ、やだぁ……触って……っ?」
「……」
けれど目の前の祥は俺の気なんか知らずにこうも無防備に甘えた声で誘うもんだから、苦労が一瞬で水の泡になりそうだ。
「一人で抜くの嫌だ?」
「いや……」
「でも熱があるだろ?」
「やだぁッ……ここ、苦しいっ……触って直輝」
「ダメ。 トイレの外で待っててやるから一人でやっておいで?」
自分で言っといて、どれだけ虚しいことを言ってるかは分かってる。
けど、もしここで俺が触れたら止められる気がしない。そのまま流れて最後までした後に後悔するのも嫌だし、何よりも祥の体に大きく負担がかかることの方が気がかりだ。
でも、祥は俺に拒絶されたと思ったのかとみるみるうちに顔が歪み出す。
はぁ……とため息を零すと、覚悟を決めて祥の毛布を引き剥がした。
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