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テキーラ・サンライズ
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「は、っん……待って耀さんッ」
「もう十分待った」
「や、め……!」
あの後、公園で別れた俺は言われた通りに耀さんの家で仕事が終わるのを待っていた。
それから暫くして、日付を越えた頃に帰ってきた耀さんと崩れる様に寝室へと向かった俺達は頭がおかしくなるほど夢中でキスをし続けた。
「お、風呂ッ、入らせて」
「……」
「仕事忙しくて、汗かいたし」
「……駄目だ」
「は……ッ? え、ちょっと耀ッ、このっ!」
ぐるっといとも簡単に体をうつ伏せに反転させられてズルズルとジーンズを脱がされる。
このままするのはマズイ。
なんか気持ちが昂ってていつもと感じ方も違うし、そうじゃなくても最近気持ちよくて堪らないんだから、おかしくなりそうで怖いし、何より心臓がもたない。
「耀さんッ!」
「……瑞生はしたくねぇのか?」
「は? 別にそうは言ってないけど……気持ちいいの好きだし」
「……俺は気持ちいいからシたいんじゃなくて、お前だから、今シたいんだ」
「……」
「分かってんだろ? そうやって抑え込むな。 冷静になろうとしねぇで見せろよ余裕のない瑞生」
「……嫌だ」
「何でそんなに嫌がる?」
「い、つも……耀さんばっか、余裕じゃん」
「……」
「俺ばっか余裕なくて……嫌だ」
「……馬鹿だな瑞生は。 余裕がねぇのは俺だってのに」
「ッ!」
そう言った耀さんが、クシャリと黒く艶やかな前髪を掻き上げる。
暗い寝室に射し込む仄かな月の光が、いつものふにゃりとした目とは違う、射抜く様な鋭い瞳を暗闇に輝かせていて、そんな瞳に見つめられた俺は息を吸うのも忘れていた。
「か、がり、さん……」
「お前が欲しい、瑞生」
「ーーッ」
ドクドクと全身の血液が湧き上がる。
ほんと卑怯だ……
そんな獣みたいな目で言われたら抗う事なんて辞めてしまう。
このままこの人に好きな様にされたいってゾクゾクして体が震え上がる。
黒虎の様な耀さんに、欲情して静かに瞼を閉じれば、噛み付くようなキスが降り注いだ。
「ハッ、ぁ、ん! ンゥッ、耀さんッ」
「瑞生、こっち向け」
「い、や……ッ、本当、見るなってば」
「ならこうする」
「ヒァ……ッ?!」
耀さんと繋がってから逃げるように枕に顔を埋めて喘ぎ声を抑えていれば、急に腕を掴みあげられて体が浮かぶ。
後ろは繋がったまま、耀さんの熱が体の中を埋めて掻き回す度に奥へと入り混んできた。
「やっ、イヤッ」
「声抑えんな。 聞かせろ」
「か、がり……ッ、さ、ァ……アッ、ああっ」
パァン、パァンッ、と肌がぶつかる音が響く。
口の中に入り込んできた指が舌を追いかけて、飲みきれなくなった唾液は喘ぎ声と共にだらし無く零れた。
膝立ちのまま耀さんに後ろから突き上げられて、体を預ける程後ろに反り返された体は顔を隠す術もなく肩に噛み付いてくる耀さんに見られてしまう。
「ひゃっ、ンッ、いやぁ……っんぅ、見な、ぃ、れぇ」
「……ッ、く」
「ンッ、ンぅっ、あっ、や……イウッ……イっ、くぅ……っ」
「瑞生……ッ」
「ァアーッ!」
背後からギュッと抱きしめられて、耳元で掠れた低い声にゾクゾクッと体が震える。
お腹の中は忙しなく蠢いて耀さんの形に馴染もうと必死に食らいついていた。
射精を終えた後に来る気だるさに、そのまま膝から崩れ落ちれば今度は仰向けに寝かされる。
クラクラする頭の中、目元を赤く染めた欲情の瞳に胸の奥がぎゅうっと締め付けられた。
「は、っあ……ハァっ、も……休み、たい」
「おじさんより体力ねぇんじゃねーの? 瑞生ちゃん」
「ッ、その呼び方辞めろって」
「ふっ。 今ムッとしたろ?」
「……してない」
「いいや、したな」
「してないっ、ーーっ?!」
「不意打ちどうも」
「ァッ、やっ、ああっ、あっん! やっん、だ……っ」
不意をくらって襲ってきた快楽に息が止まる。
ズチュ、ズチュッ、と恥ずかしくなるほど絡まり合う音が響いて顔を隠したいのに両手は耀さんの掌に繋がれていた。
恥ずかしい……っ
唇を噛み締めているのが苦しくなってきて、酸素が足りない。
苦しくて微かに唇を開けば漏れる喘ぎ声に顔が熱くなる。
演技でも盛り上げる為でも無い本気の甲高い女の様な声を、隠しきれない表情を見られてると思うと堪らなく逃げ出したかった。
「あっんぁあっん、ンぅっ、ふ、ァッ、も……っ、もうっ、苦しぃっ」
「瑞生っ、好きだ」
「ひぁっ! や、ぁッ、ああっ、あっん、んーッ」
その言葉に涙が出た。理由なんて分からない。
ただ胸の奥が痛くて、ズキズキして。
なのにぎゅうって締め付けられたその奥が染みるようで、握り締められた掌を強く握り返すと、その悲しい気持ちはほんの少しだけ和らいだ。
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