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「祥が可愛いなぁって。 食べちゃいたいって思ってた」
「た、食べっ、?!」
「そ、二人にニコニコしてる祥も可愛いけどやっぱり俺と居る時は俺のことだけ見て欲しい」
「ッ、な、何言って……」
ジリジリ迫られて、気づけば階段横の壁へと挟まれる。上から見下ろしてくる直輝の表情はからかった口調でも本気だって事が見て分かるから、ボンッと爆発したみたいに熱くなった顔を必死に横へ背けた。
「言ったよ」
「……だ、だから?」
「言ったのに何も無いの?」
「何もって寧ろ何があんだよッ」
「んー? そりゃあ、可愛いポーズとか取って食べていい──」
「ふざけんな変態! 誰が言うかアホ!」
「……はぁ、昨日のしおらしい祥はどこに消えたんだか」
近づいてきた顔を手のひらで押し返す。それでも逃がす気が無いのかジリジリ力づくでキスしようとしてくる直輝に俺も反抗して全力でそのムカつく笑みを貼り付けた顔を押し返した。
昨日は昨日。今日は今日だ。
昨日は俺だっておかしいなって自覚があるくらい素直でいれたし、あれはきっと神様が俺に誕生日何だから素直にしなさいって教えだったんだそうだ間違いない……。
「……今すげー馬鹿な事考えたろ?」
「〜〜ッ、別に?! 神様とか考えてません!」
「は? なに、神様?」
「も、もー! いいから離れろってばッ」
「無理。 キスしてくれるまで離れないから」
「何でだよッ! しーちゃんと遊ぶって言うから俺の家に来たんだろっ」
「しょーちゃんと遊んでるけど?」
「そ、それは忘れて!」
「祥が言ったんじゃん。 フッ、俺は猫のしょーちゃんだよ〜って、あははっ」
「〜〜ッ」
「あの時の祥可愛かったよなぁ〜本当の猫みたいにずっとやだやだぁって駄々こねて俺の腕から離れなかったのにね?」
「い、意地悪……ッ」
「俺が?」
「ばかッ、直ぐそうやって意地悪な事ばっかするっ!」
「祥も俺に直ぐ殴るし蹴るし噛むし。 阿呆とか馬鹿とか言うじゃん」
「だからそれはッ」
「……」
何がそんなに直輝の機嫌を損ねたのか。思いつくのは聖夜と綺月先生との話に夢中になって直輝を放置してた事だってのはもう考えずとも分かることで、はしゃぎ過ぎたのが原因かと溜息を零す。
すぐ近くに、隣に居たからなのに。
そんな怒らなくてもいいじゃん。バカ直輝。
「直輝が、意地悪辞めたら俺も、素直になる……」
「はいはい」
「なんだよっ」
「そう言って結局おざなりにするもんねー?」
「ッ、」
「……いいよ、別にー。 祥は聖夜達と楽しいお茶会でも続けてろよ」
「いいんだな俺が行っても」
「好きにすれば」
「本当にそういう事言ったら行っちゃうからな……」
「だから好きにすればいいじゃん」
「ッ」
冷たく見下ろしてくるから強く睨み返してしまう。
ほかの人なら「ごめんね」って言えてるんだろうな。それにきっと「好き」とも伝えて仲良く時間を過ごしてるんだろうな。
そう考えたら段々悲しいのか悔しいのか目頭が熱くなってきた。
こんな喧嘩の内容、小学生みたいだ。
いつもなら大抵の事は直輝が処理してくれている。大人の対処して、こんな形の喧嘩はしないけど何でか今日は二人揃って口も態度も悪いから引くに引けないままになっていた。
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