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お忍び旅行はラブハプニング
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夕焼けに染まり、京都の街を堪能したあとは宿へと戻った。
一足先に帰ると言っていた耀さん達とは別に案内してもらい、女将さんと会話を楽しんだあとは部屋にある露天風呂へと失礼した。
もう一足先に帰ってきたらあの綺麗な夕陽が透明の湯に混ざる光景を見れたかもと思い少し惜しく感じる。それでも、深く濃い蒼の奥に微かな薄く藍色がかかり、月が浮き上がる情景は心にくるものがあった。
「温泉、また入ろう!」
「ん。そうだな」
「夜だったら静かだし、星も見れるしもっと長くゆっくり入りたい」
「分かったから、湯冷めする前に早く浴衣着ろよ」
夕飯前に汗を流したいと我侭で直輝を付き合わせてしまった手前堪能はできなかった。じっくり愉しむと言うよりは本当にサラリと身に触れたという方が正しい。
後ろ髪引かれる思いで早めに行動すると言った直輝に従い浴衣を着て、部屋へと戻る。
確か夕飯は耀さん達の部屋に皆で集まりとると言っていた。だったら一時間程余裕はあるけどもう向かった方がいいかもしれない。
「直輝ー、早めに動くなら先に耀さん達の部屋いく?」
「その前に髪ふいてからな」
浴衣を着て、その上に備えてあった群青色の茶羽織をきた直輝がタオル片手に近づいてくる。
旅行ということもあって浮かれているのは自覚していたが、濡れた毛先から落ちた雫が項を濡らす感覚に少しばかり恥ずかしくなった。
荒々しく水気だけを取り自然に乾かそうと一つに纏めた髪が直輝の指により解かれる。
ハラリと落ちた長い襟足が冷たくて、きゅっと肩を竦めた。
「ごめん、舞い上がってた」
「今更なことだ」
「……直輝は楽しくなかった?」
頭にタオルを置くようにして直輝が包み込む様に優しく髪を撫で、乾かす。
ぽんぽんと二度優しく撫でられ、タオルの裾から目だけで見上げると緩く笑みを浮かべた直輝と目があった。
「楽しいよ。楽しいに決まってる」
「そ、っか。良かった」
う、わぁ……!
なんか、凄く恥ずかしいのは俺だけなのかな。
見慣れないブラウンの髪色も、大人びて見える眼鏡も、合わさる浴衣の裾から見える胸元も。
なんだか胸がトクトクと高まって苦しい。
「も、もういいよ直輝。あとは纏めて乾くの待つからさ」
「……祥?」
「な、に」
目が合うのが小っ恥ずかしい。
考えてることを知られたくなくて目を逸らす。けれど直輝の手に、タオルも巻き込み頬を包まれた。
ふわりと香るシャンプーの匂いがいつもの香りと少し違う事に気づくのと、雄の瞳をした直輝に捕らわれていた事に気づいたのは、きっと同じくらいだったと思う。
「ん……っ、ぁ」
上向かされて優しく直輝の唇が唇に合わさる。
触れて確かめる様なキスが止まり、離れてしまう気配が寂しくて、気づけば俺から直輝の胸に身を委ねていた。
「祥、もっと声聞かせて?」
「ぅ……ン、や……」
胡坐をかき座っている直輝の足の間に両膝をつく。必然と直輝よりも高くなった目線で、直輝からの愛撫を受け入れた。
「だ、め……は、汚れちゃ、ぅ」
直輝の頭を抱えるようにしがみついて、唇を噛み締める。緩く首をふり拒絶を示しても刺激は緩むどころか激しさをましていった。
声を抑え無ければと思うほど官能は高まっていくのに、気にすればするほど直輝の指が追い詰めてくる。
浴衣を脱がせて欲しいと何度も懇願したのに、直輝はただ綺麗な笑顔を向けるだけで裾から侵入してきた指に尻を揉まれ気づけばいやらしい音が立つほど弄られてしまった。
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