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体育祭の季節
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めんどくさいと思ってるのが伝わってくる
早く終わんないかなって空見上げて退屈そうだ
キラキラ白髪が太陽の光に輝いていて
風が吹く度に細くて柔らな髪の毛がなびく
スラッとした立ち姿もやっぱり普通の人よりも目立っていて横から顔を見ると鼻も高くてちょっとムカついてきた
どこもかしこも欠点のない見た目だなんてずるいなぁ
中身は問題大ありだけど直輝は人を操るのがうまいし世渡り上手だし
深く関わりを持たない限り中身も何も問題が無い
それに……、なんだかんだ言っても直輝は優しい
口で冷たく言っても人を見捨てたりとかはしないのを知ってる
人の事をよく見てるのも
馬鹿にされないように自分にストイックなのも全部知ってる
ボーッと見ていたら直輝の横に居た女の子がくいっと体操服のジャージを引張ったのが見えた
空を見ていた直輝もそれに気づいたのか
女の子の方を向くと笑顔でなにやら話している
そのまま腰を屈めた直輝に女の子が耳打ちしたのを見た瞬間口から声が漏れてしまった
「なっ……!」
「兄貴?」
「祥さんどしたんですか?」
「い、いや……何も無い」
距離近くないか……?
いや、そんなものなのかな
俺気にしすぎだよね
……でもわざわざあんな近くで話す必死なんてあるのか
悶々と自問自答を繰り返していたら見つめていた先の直輝とバチッと目が合った
「──っ!」
いや勘違いだよね?
俺が直輝を見つけたのも凄いのに
直輝がどこにいるかも分からない筈の俺に気づくわけもない
だけど確かに目が合った途端、
直輝がニヤリと口角をあげたんだ
ドキドキと心臓が高鳴る
俺の勘違いだって思うのにでも直輝と本当に目が合った気がして、顔が熱くなった時隣に居た女の子達から嬉しそうな声が聞こえてきた
「ねぇ! 今直輝君こっち見て笑ってたよね?」
「やっぱり?!」
「最近直輝君って優しいよね! 前も優しかったけどどことなく冷たかったじゃん?」
「あー分かる、それがミステリアスでいいよね〜」
「ねー」
……。
俺じゃなくてファンにだったみたいだ
恥ずかしい……
ほんの少しでも俺に笑ったのかなとか勘違いしたのか恥ずかしくて堪らない
カーっと益々赤くなる顔を両の手で包むと隠した
あぁもう今の絶対直輝にも誰にもバレたくない
ちょっと飲み物買いに行こう
いてもたっても居られなくて席をたつ
陽とハル君に欲しい飲み物を聞くと
財布だけを持って自動販売機へと向かった
「……ふー」
グラウンドから離れて校舎の隣に隣接されている体育館側
飲み物を買った俺は直ぐに戻る気にもなれなくてそこで少し頭を冷やすことにした
体育館の締められたドアの前にある石像の階段に座ってペットボトルの蓋をあける
コクコクと体内に水を流し込んだ
芸能人と付き合うってこういう事だよなー
読者モデルとかじゃなくて本格的なモデル業
将来も当たり前に芸能界に進むみたいだし
マネージャーの篠田さんも直輝にはかなり期待していた
モデルは本職だけど
テレビにもどんどん出すつもりだって言っていたし
そうすれば今よりも直輝の知名度は上がるんだろうな
頭痛くなってきた……
ううん、と唸って居た時明るかった筈の視界に影がさした
「あのー……」
「え?」
「すみません……少しいいですか?」
「俺ですか?」
「ふふっ、はい。 貴方に少し話があって」
影を辿った先に同い年くらいの女の子がたっていた
茶色くてストレートのロング
制服を着ているからどこかの学生なんだろう
急に声をかけられて
他に人が居ないのか勘違いかと思ってキョロキョロしていたらくすりと彼女が微笑んだ
「話?」
「はい……、あっ……あの」
「何かあったんですか?」
「い、いえ……! その……お名前聞いてもいいですか?」
「名前……? 小日向 祥です」
「小日向さん……!」
「そんなかしこまらなくても……多分同い年くらいだと思いますし気兼ねなく話してください」
「あ、ありがとうございます」
何かあったのかな?
彼女の様子が急に慌ただしくなる
緊張した面持ちで顔も真っ赤だし
これじゃ俺も何だか話を聞きにくい
何よりそんなにかしこまられる事に慣れていなかったからついそんな風な事言ってしまった
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