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おやすみとおはよう
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「はッ、ん、っ直輝」
「ごめんな。 後もう少しだから」
「なお……ッ、俺ッは、だいじょ、ぶだよ」
「……好き」
「ンぅっ」
目尻に涙を溜めて優しく顔をほころばせると苦しい筈なのに大丈夫と俺に笑いかけては頬を優しく包み込む。
負担がかかるのはいつも祥で。どれだけ辛いのかだって経験したことも無いから俺には理解してやれない。
冷や汗をかくほど辛いのに身を震わせている祥は、こんな時でも自分よりも他人を心配する優しいバカで。
そんな祥が愛しくて大切で。好きで好きでたまらない。
「も、っと言って……ッ」
「好き。 好きだよ祥」
「ははっ、うん……俺も、ッん、好き」
艶やかな黒髪が真っ白のシーツに散らばる。
白くて柔らかな肌にキスを降らすと嬉しそうに潤んだタレ目がもっと下がって、笑顔が可愛くて仕方ない。
もう一度深いキスをすると、祥の体を一層抱きしめて最後まで腰を押し進めた。
「んぁあっ……!」
「は、……大丈夫か?」
「ふ、っう……ん、うん」
ぎゅうぎゅうに締め付けてくる祥の中を感じて、全身が震える。
緊張なのか、感動なのか。
簡単には形容出来ない感情がグルグルと湧き上がってきて堪らず祥に沢山キスをしたら身をよじりながらクスクスと笑い声が聞こてきた。
「あははっ擽ったいよ、なお」
「俺今最高に幸せ。 世界で一番幸せ」
「ふふっ、バーカ。 ッん、はぁ……直輝の……ここにある、んだね」
「ッ」
「俺の中に、直輝のあるんだ……」
「祥……?」
「もぉー……でか過ぎて、俺死ぬかと思った」
「あのさ、本当に無自覚にも程があるよな」
「へ?」
お腹を撫でながら嬉しそうに笑みを浮かべる姿にゾクリと背中に何かがかけ走る。
色っぽい表情で愛しそうに撫でては、どこか消えそうな雰囲気が儚くて。
幸せなのに、何故か悲しくなってくる。
「なんか、夢見てるみたい」
「夢なんかじゃないって動いて証明しようか?」
「アッ、ん……! バカぁッ、きゅ、に動くなっ!」
「ん、今のバカってすげー可愛い。 もっかい言って?」
「な、に言ってんだよ変態ッ」
髪を撫でながらからかうと祥が真っ赤な顔して怒る。
だけど何処か泣きそうな顔に俺まで泣きそうになってきた。繋がった時、夢みたいだとまた全部が消えるみたいだって幸せで怖くなったのは俺だけじゃなくて祥も同じ気持ちなんだって伝わってくるから。
一層大切にしたいって思うんだ。
切ない笑みじゃなくて、いつだって幸せな笑顔で笑っていて欲しい。大切な人にはずっと、ずっと。
「ふふっ」
「なんだよ」
「あははっ、なんで直輝、泣きそう顔してるのー」
「……してない」
「してるよ。 泣いちゃいそうな顔……」
「泣きそうなのは、祥の方だろ」
「ッ、ふふ、うん……そう。 幸せで。 だから怖くて泣きそう」
「祥……」
「だって……もう二度と、直輝に抱きしめてもらえないって。 触れることなんか出来ないって諦めてたのに……ッ、それなのに今、直輝に沢山抱き締めて貰えてるんだよ。 そりゃ泣きたくもなるよ」
「そんなことで泣いてたらこれからどうすんだよ。 今よりもっと抱き締めるしキスも沢山するのに」
「……ふふっ、うん……ッ、ふ……グスッ、なおッ」
「ん?」
「俺ずっと直輝だけがッ、好きだよ」
「俺も」
「なのにごめんねッ、俺……結ーー」
その先のその言葉は聞きたくないし言わせたくない。苦しそうに言葉をかたどる唇を塞ぐと、優しく舌を絡めとる。
良いんだ。良い。祥は何一つ悪くない。
ほかの誰と関係を持とうが、どうだろうが俺は祥が好きで愛してるのに変わりはない。
それ何より祥を責めるだなんてお門違いだ。
「あいつの話はするなよ」
「でも……ッ」
「話す理由が、俺に罪悪感があって俺の為に謝りたいんなら聞きたくない。 でも、祥が吐き出したくて、俺が聞いてやる事で少しでも楽になるなら聞くよ、いくらでも。 だけど今のは違うだろ? 裏切ったとか、悪かったとかそういう事ならお願いだから謝るな」
「……ごめ、っなさ」
「謝んなってば馬鹿だな」
「なお、ッん……ンぅっ、あ……ッ、ふあ」
「それに絶対俺の方が祥に可愛い顔させてやれる。 違う?」
「アッ……! ん、ッんぅ、そっうだよ……ッ直輝、だけ」
「祥が例えばここが弱いとか知らないだろ? ゆっくり動いた後に急に奥の方突き上げたらすげー可愛い声上げるとか」
「ーーッ、ひッ、ああーっ、ま、って……!」
「ふっ、待っていいの?」
「ッんう、はうっ、待たない、ッぁあ! ああっ、あっ、や、直輝ッ」
「もう痛くない?」
「いたっくないッ」
「じゃあ気持ちい?」
「〜〜ッ、ひゃあっ、やぁ、んぅ」
「気持ちー?」
「っふ、ううっ、きもちいッ、奥ッ、アッ、ぁあ……もっと奥、ッしてぇ」
「エッチな祥ちゃん最高に可愛い」
正常位で抱きしめながらゆっくりと腰を動かすと祥が惚けた顔をして首に腕を回してくる。
きゅうきゅうと締め付けてくる中にあっという間に持っていかれそうで、合わさった肌が気持ちよくて、何度もキスをした。
祥の全てが好きだ。
他の男の事なんか忘れるぐらい抱いてやる。祥が忘れたいって言うならいくらだって忘れさせる。
何度だって抱き合えるしどんな所だって一緒に行ける。思い出もきっと沢山増えるだろう。
だから過去がどうだって構わないんだ。
俺が祥と生きるのはこれからの未来であって過去じゃないから。過去も未来も今も一分一秒、愛しくて堪らない程、祥に惚れているから。
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