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伝えぬ想いは掌に還る
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両腕を交差して顔を隠しながら瑞生がシーツを蹴りあげる。
俺もまさか潮吹いてくれるとは思って無かったし、これまでもそうなりそうな時は瑞生にぶん殴られて未遂(?)で終わったって言うのに。可愛い。堪らないだろこれ。
「顔見せろって」
「っ、あ、ァァ!」
ぶんぶんと首ふってるけどそれ絶対後で痛めるな。
いやいやと駄々っ子の様に拒否する瑞生がこれまた可愛くて、シーツを蹴りあげて逃げようとする瑞生の両脚を俺の肩にかけるようにしてひっかけて深く腰を打ち付けた。
逃げる為に必要な足の自由を奪われた瑞生は顔を隠すのも忘れて絶望だとでも言わんばかりの表情をしていたが、まだまだこれからだ。
「やめ……! 離してッ、あっ、や」
「瑞生見てみろよ。前立腺ぐりってする度に潮吹かせてるぜ?」
「やぁッ、くそっ! しね! ばか!」
「ふーん? 余裕だね〜、なら奥の方も虐めていいよな?」
「──ッ、」
聞くよりも早く腰を打ち付けスピードをあげる。未だ潮を吹かせて喘ぐ瑞生の体がビクビクと痙攣していた。
戸惑い顔を顰めて泣いちゃう瑞生にはもう可愛いで賞をあげたい。俺の一番の癒しは間違いなく瑞生で、この先もずっと瑞生だけだな。
「ンッ! だ、め……出ちゃ、うッ、」
「もう出ててんだろ?」
「ちがぁ……っ、ん、は……ちがうっ」
「ああ。いいぜ、出せよ」
「ッ、最低っ、あっん、ん、ンん」
ぶらぶら揺さぶられた瑞生の足が背中にぶつかる。
体を傾けて瑞生にキスをしながら腹を撫でてみると細い体が緊張を感じ取った。
相当我慢してたんだな、こいつ。さっさとしちゃえばいいのに。恥ずかしいの大嫌いなプライドの高いヤツだから明日はきっと布団から出てこねーだろう。
「んやぁ……!」
猫の様に瑞生が哀願した刹那、膀胱のあたりを手のひらでぐっ、ぐっ、と押してやる。すると潮ではなく、黄身がかった水がしょろしょろと力なく零れ出した。
「瑞生。恥ずかしい子だな」
「やだぁ……っう、許さな、いッ、」
「お前に許されなくても俺が許す」
「ふ、ざけ……ンんぅ」
呆然と恍惚の混ざりあった表情。赤く染まった頬は羞恥からか快感からか。まあどっちもだろうな。
初めてセックスでお漏らしをした瑞生はぐったりと横たえた体を動かすのも忘れてぴくぴくと身を震わせていた。
「みーずーき」
「……無理。もう明日自殺する」
「かーわいかったなぁ。お漏らしした後、子供みたいにワンワン泣いちゃってさ、んでもきゅうきゅうお尻締めて本当にエロいなお前」
「……もう黙って。本当に黙って。俺に死んで欲しくないなら今すぐ黙れ……ッ!」
「いででで!」
お漏らし後も三回も盛った俺達は今、暁天を見上げながら仲良く温泉につかってる。
もう体力も底をついたのか瑞生は何をするにも俺に任せっきりで今も抱っこされたままだ。
「瑞生可愛いなぁ」
「ッ、な、なにキモイから」
「照れた?」
「照れてないッ! その鼻折るよ!」
「はー可愛いなぁ」
いつもならこんなにベタベタしたら「加齢臭するから無理」だとか「うっざ」だとかあしらわれて終わるのに今日はどうしてか静かだ。なんだなんだ? そんなに潮噴きからのお漏らしが恥ずかしかったのだろうか。
ちょっとだけ可哀想に思えて瑞生の小便なら飲めるから気にすんなよって言ってやったら、全力でカウンターが飛んできたからやっぱり瑞生には逆らわずにいよう。
「ね、耀さんはさ、俺が好きなの?」
「は?」
「……好きなの?」
「はぁー。お前さ、いや。あーもういいよ、俺も悪かったしな」
この歳で好きでもない奴を誰が抱きしめて風呂に浸かるかよ。俺は瑞生にはデレデレでも他人に興味がないうえに最低だって男女関係なく罵られてきた過去もある。
見事に駄目な大人に捕まった瑞生なわけだが、言葉よりも行動で示す俺の考えと、言葉と行動を貰っても足元が朧気な瑞生とじゃあ計り方に誤差が生じても仕方ないことなんだろう。
俺にとっては些末な事でも、瑞生にとっては酷く不安に駆られること。
この歳でちまちま気にしないのも、元から大雑把な事もあって見落としていた事が何度もあったんだろう。
「なあ瑞生、これからは少しの事でもしっかり話し合おうな。不安になったらそのまま流すんじゃなくて、相手がどう思っての行動か気持ちの置き方を知っといた方がいい」
「……めんどくさいでしょ」
「まあなー他人ならあしらうが、お前は俺の恋人だろう? 一人しかいない恋人なのに無碍になんかするかよ」
「ッ、」
当たり前のことを当たり前に言ったら瑞生はみるみるうちに顔を赤く染めてお湯に潜ってしまった。
ぶくぶくと泡をたてる瑞生が可愛いくて、過去の瑞生はきっと甘えん坊だったのに大人ぶって物わかりのいい賢い振りをしてきたんだろうと安易に想像できた。
もう過去にはお互い戻る事はできないが、その後の人生が1パーセントでも過去より幸せが勝ればそれは幸せな人生だったと誰よりも笑って言えるんじゃないだろうか。
「……耀さん」
「んー?」
「俺も、好きだよ」
「瑞生ッ!」
ぐはっと来た! ぐはっと!
ほんのちょっとだけ振り返って肩越しに上目遣い。それからすぐに伏せ目で恥ずかしいのかもごもごしてる。なにこの生き物。最高かよ。本当に本当に可愛い。
もうすっげー誰よりも可愛いし、誰よりも何よりも愛してる。
「な、ちょっと! なに勃起してんだこの野郎……!」
「いててッ!」
「もう今日はしないからっ、ていうか後一ヶ月はしないッ」
「一ヶ月?!」
「当たり前だろ!」
「俺真面目に死ぬ」
「あっそ。俺には関係ないし」
プイっとそっぽを向く瑞生。とにかく俺のハートを掴んで離してくれません。一ヶ月は厳しいが、何とかして許してもらおう。
照れたり拗ねたり大人ぶったり。
喧嘩は予想外だったが今日の瑞生も堪んねーほどに可愛くて可愛くて可愛くて愛しかった。
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