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宗也-5
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「それでも俺も瞬平も男だし、告る気なんてなかった。瞬平の傍に居れたらそれでいい。
告って振られて瞬平が離れていくようなら、言わなくてもいい。
そう思ってた。」
その話はまるで今の俺を見ているようだった。
宗也のその頃の考え方は今の俺だった
「でもそれを我慢すんの俺には無理だった。胸がすっげー痛くて、苦しくて。
結局我慢するのが無理になって、好きだって伝えた。
最初はわからないって言われて、少し時間が欲しいっていわれた。
長期戦だったけど瞬平は俺を選んでくれた。」
長い長い話を終え、宗也は息をつく。
…知らなかった。
今の2人にそんな過去があったなんて
想像もできなかった2人の過去に俺は絶句していた
「裕也、好きな奴が離れていくのはたしかに怖い。けど自分の気持ちを伝えないまま他のやつに取られていくのはもっと怖い。
後悔する前に自分の気持ちを伝えろ。
俺が言えるのはそれだけだ。」
ポンッ、と肩を叩き俺を勇気づけてくれる。
その優しさに俺は少し涙が出そうになった。
「優樹と真樹は連れて行くから、お前はナツと話しあえ。」
「は?今から?」
「当たり前だろ。」
即答され、返す言葉もない。
急に緊張してきた……
「じゃあな、がんばれよ」
宗也はそう言って、俺の部屋を出て行った。
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