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金鳳花 13
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天を覆っていた雲が千切れ
月が少し顔を出した
再び月明かりに照らされた寺院の屋根に
鶯の狗が降り立つ
咥えていた男をそこに横たえ
屋根に一陣の風が吹き抜けると
狗の毛皮が風に揺れる
次第に靡く毛が少なくなると
大きな狗は鶯の肌を持つ鬼に戻っておりました
チッ
鬼の腕や腿に血の滴る傷が幾つか開き
痛みに鬼が舌打ちをする
白い男は蛭鬼の粘液が残る肌に
鬼と同じ傷を負い
しかしその様子は
痛みではない別の呻きを洩らしている
男の左腕は鎖の力により
禍の気配はない
疼く身体は熱を帯び
男は身を捩ると甘い息を吐いた
「っ………ぅ」
薄っすらと開いた眼は
まだ状況を理解していない
鬼が近づくと男の足を掴む
小さく身を縮めた男の太股に手をかけると
力任せに開く
着物がはだけ
露になった男の白い太股に裂けた傷口が
粘液と血液で滑り
月明かりにヌラヌラと光る
「……っ……なっ………?!」
白い男は目を見開いて声をあげた
頭をもたげると視線が鬼と合う
視線が外れ
ジュクッ
傷口を鬼の舌が這う
牙が覗く鬼の口元が男の血で紅く濡れた
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