アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「捺芽と一緒に帰ってあげてくれない?」
ある日の放課後。
渋い顔をしながら頭を下げてきた捺稀に、俺は驚いた。
「捺芽と?なんで?」
「俺、今日生徒会の仕事でどうしても残らないといけなくて...。捺芽を一人で帰らせるのは心配なんだよね」
捺稀って生徒会やってるのか...。
「別に良いけど」
「ほんと!?ありがとう」
パァァァと分かりやすく顔を輝かせ、俺の腕をぶんぶんと振る捺稀。
「けど、俺捺芽の家知らない」
「大丈夫!地図描いてきたから!」
某猫型ロボットの真似をしながら、ポケットから畳んだ紙を取り出した捺稀。
手渡されたので中を見てみると、捺芽の家までの簡単な(というか簡単すぎる)地図が描いてあった。
「これで辿り着けるでしょ!」
ふふんと得意気な顔をしている捺稀には悪いが、これでは全くわからない。
目印になるような建物などは描いていないし、道を描いたであろう線はぐにゃぐにゃとしていて、どの道をどう進んだら良いのか全然読み取れない。
「とにかくおっきい家だから、そのへんに行けば簡単に見つかると思うよ!」
と、何でもないことのように言ってくれるが、そんな簡単に見つかるわけが...。
「捺稀...」
溜息を吐き、もう一度地図を描いてもらおうと声を掛けたが、運悪く始業のベルがなってしまった。
捺稀は「じゃあ任せたからね!」と残して席へと帰ってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 22