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あれから数日。
俺と捺芽との関係は...特に変化なし。
なんかきっかけ?掴めなくて。
で、今日こそはと思って気合いを入れて学校に来たわけだ。
なのに...捺芽は学校に来ていなかった。
風邪でも引いたのかと思った。大丈夫かな...。とか普通に思った。
けど、捺芽の弟が慌ただしく動いててなんか焦ってるように見えたのが妙に気になった。
だから声を掛けた。
「なぁ、どうかしたのか?」
捺芽の弟ーーー捺稀が振りむく。
「別にあんたには関係ないだろ!」
キッっとこちらを睨んで来る捺稀。
普段の可愛い系、ゆるふわ癒し系というイメージが即座に崩れた。
「何をそんなに焦ってんだよ。捺芽がここに居ないのとなんか関係あんのか?」
ビクッと一瞬肩が揺れたのを俺は見逃さなかった。
「何があったんだよ」
下を向き、黙る捺稀。
「な...が...いな...った...」
けれど、ボソッと一言呟いた。
でも、小さすぎて聞こえない。
「何?聞こえない」
「捺芽がいなくなったっていったの!」
聞き返したら大声でそう言われた。
はぁ...えっと、うん見れば分かる。
「そんなの見りゃわかるって。風邪でも引いたんじゃないのか」
「そうじゃなくて!今日一緒に学校まで来たのに教室に来てないんだよ!」
...は?
ちょっと待て、それってヤバくね?
「捺芽は学校に来てるはずなんだな?」
「そうだよ。でも、居ないんだよ」
白い顔を青くして、俯く捺稀。唇を噛み締めていて痛そうだ。
「どこまでは一緒だったんだ?」
「下駄箱のとこで話したから、そこまでは居た」
てことはその後か...。
ん...?でも...
「自分で友達とかに会いに行ったりしてるって可能性は?」
もう高校生だそのくらいあり得るだろう。
「ないよ」
なのに、捺稀は即答した。
そして、続け様に発せられた言葉に俺は驚きを隠せなかった。
「だって、捺芽は僕が居ないとどこにもいけない。何も見えてないから」
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