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【番外編】父の日
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唇が離れると、どちらともなく抱きしめ合った。
…幸せってこういうこというのかなー…
なんて呑気なことを思っていると
ぐぅ、と俺の腹の虫が鳴った。
あ、そだ。
俺、腹減ってたんだ。
「プッ(笑)親父お腹鳴ってんじゃん(笑)」
「わ、笑うなよ!」
ケラケラ笑う豊だが、今度はぐぅ、と豊のお腹が鳴った。
「……」
「……プッ…豊も鳴ってんじゃん(笑)」
「…親父の腹の虫が移った…」
恥ずかしいのか、豊は俺の肩に頭を乗せてくる。
「豊くん、重いんですけど」
「親父がいじわるなこと言うのが悪いんですけど」
「言ってないだろ」
「言いましたー。俺のこと笑いましたー」
「ガキかよ」
「ガキだし」
そしてまた鳴るお腹。
今度は二人同時だった。
「はは…ご飯食べるか。あ、でも何かあったかな」
「俺があげたケーキ食べればいいじゃん」
「あれはダメだ。まだ写真撮ってない」
俺は大真面目に言ったつもりなのに、何故か笑われた。
「ケーキ写メるとか女子かよ(笑)
つか、いいよ。写メんなくて。普通のケーキだし」
“普通のケーキ”だなんて、そんなことはない。
だって
「『お父さん、いつもありがとう』ってメッセージが書いてあるんだぞ?写真を残しておかないでどうする」
「メッセージ書いてあるだけじゃん。他は至って普通のケーキだよ。別に俺が書いたんじゃないし」
「じゃあ、これは?」
ひっついてた豊を剥がし、ポケットに入れてあったのはもう一つのプレゼント。
冷蔵庫の中にケーキが入った箱の上に置かれていた、豊からのメッセージカードだった。
しかも手作り(ここ重要)
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