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冷めたココアも
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「あれ?」
ホームに着くと、見覚えのある姿が目に入る。
ちょっとだけ緊張しながら声をかける。
「真山!」
「あ、藤川」
俺を見つけると、微笑んでくれる真山。
さっき俺があげたココアを飲んでくれていた。
「さっきはごめんな。面倒くさいことになっちゃって」
「いや、そんなことないよ。ちょっと驚いたけど」
くすくす笑いながら、美味しそうにココアを飲む。
でも、もう冷めちゃっただろうな。
「あ、これごちそうさま」
「おー。てか、もう冷めてない?美味しくないだろ」
「ううん。藤川がくれたのだから美味しい」
嬉しそうに笑う真山。
だから、なんでそんなこと言うの。
「……ふーん」
うつむいて、来たばかりの電車に乗り込む。
不思議そうにしながら、真山も一緒に乗り込んでくる。
あぁ、俺いまめっちゃ愛想悪い。
「どうしたの、藤川」
「…何でもない……」
自己嫌悪に陥りながら、どうしていいのかわからなくなる。
だって、真山がすげー恥ずかしいこと言うから。
顔赤いかな……。
「本当に何でもない?」
「うん」
こくん、と頷くと、優しく頭を撫でられる。
なんでこいつは、人の目とか気にしないんだ。
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