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プロローグ
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プロローグ
「別にね、俺は死んでもよかったんだ。」
この血にぬれた地に一人佇んでいる少年。
片手にはもう剣を持っている。
服も返り血で赤に染まっていた。
そしてまた少年は口を開く。
「もう、誰もいないのに。俺の大切な人は、誰も、誰も…いないのにね。なんで俺だけが生き残っちゃったかな。」
そう呟いた少年に表情なんてない。
ただ、《絶望》それのみが支配していた
誰かが言っていた。
『人は表情ある生き物だ。表情が消え去った時、それはもう絶望しているのだ』
と。
そう、この少年はもうすでにこの世界に絶望していた。
そんな世界に急に光が差し込んだ。
「……なんでガキがこんなところにいるんだよ…おい、大丈夫か?」
そう、話しかけたのはきれいな青年だ。
黒の軍服に身を包み勲章がいくつも付いている。
少年は持っていた刀で襲いかかる。
でも青年も軍人だ。
予想していたかのように避け、そして刀を取り上げようとしたがそれができなかった。
少年が刀をもう一度振りかざしそして、ものすごい速さで襲いかかったから。
ザンッ
空気を裂くような音が聞こえた。
軍服から少し血がにじんていたがそれを気にもせず近づき。
そして、青年は少年に触れた。
青年は驚いた。
この少年の肌の冷たさと美貌に。
少年も驚いた。
血に濡れた自分を触ってくれる人がいたから。
少年は緊張の糸が切れたように気を失う
青年はやさしく受け止めて、抱き上げる。
向かうは、青年の所属している軍だった。
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