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…なんで?
呆気に取られた後、少ししたら、視界が滲んだ。
長峰くんは、タイヤキを持ってきてくれはしたものの、部屋に上がるつもりなんて、無かったんだ。
それをぼくは…。
聡い彼のことだ。
何か穏やかならぬものを敏感に感じたのだろう。
ああ、まったく。
下らない。
マジで下らない。
ぼくが何を感じようが、時は過ぎゆく。
何もしなかったから、何も変わらないだけだ。
誰のせいでもない。
ぼく以外の人が苦しむ理由なんて、何ひとつ、無くていい。
今夜、ここを出よう。
秋祭りも
タイヤキも
無い土地に行って
それで…
全部、塵に返すんだ。
それがいい。
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