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叱責
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何とか、サービスエリアに着きそうだ、と思ったあたりで、スマホが鳴りだした。
じいちゃんだ。
―何かあったんだろうか?
「もしもし?」
思いがけない相手に、油断した瞬間だった。
「おまえ、今どこにおる?」
地を這うような声に、ぼくは必死でトボケた。
「ん…?ちょっとコンビニ。すぐ帰るよ。」
「嘘をつくな!お前のやることなんざ、全部お見通しじゃわい!!このっ、親不孝もんがっ!!」
「…不孝なのは、知ってるから。」
だから、行くんだ。
「何を隠しよる?ワシにも言えんのか?」
「うん。ゴメンね?」
じいちゃんだから、言えないんだ。
それに。
『息子の恋愛対象はオトコです』
こんなことが知れたら、ショックで母さんが死んじゃうよ。
それじゃなきゃ、道具箱の小刀で、じいちゃんに成敗されちゃうか。
この2択だと思うからさ。
「――長峰の倅には、何て言うんじゃ?」
「さぁ?――何も言わなくて良いんじゃないかな。」
ぼくは嘯いた。
「家出なんぞ、性根が腐った者のやることじゃ。」
「…そうだね。」
ぼくも、そう思うよ。
通話を切ると、近くにあったベンチへ腰掛けた。
お茶を飲んで、ちょっと休憩してたら、眠くなってきた。
―このまま、目が覚めなきゃいいのにな。
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