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粒あん
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「おー、あんちゃん。ヒッチハイクか。」
聞いたこともない、しゃがれ声で、目が醒めた。
「えっ!?あ…ハイ。そうです。」
寝ぼけ眼が、真っ先に見たのは、粒あんパンという文字。
―つぶあんって…。
何だか少し嫌な気分になった。
袋をゴミ箱へ捨てると、その人は訊いてきた。
「行くんは、南か?それとも北?」
「……風任せです。」
そう答えたら、厳つい顔がクシャッと崩れた。
「気に入った!!コッチや、さあ、乗りない!」
強引に誘われて、乗り込んだのは、なかなか大きなバンだった。
後部座席には、生活雑貨が山積みになっている。
この人も、風任せの生活なのかもしれない。
「そしゃ、行こか。」
「あ、ハイ。よろしくお願いします。」
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