アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
緩和
-
「ゴメンナサイねぇ…後賑わしで寿哉くんに気持ち悪くなるまで飲ませるだなんて。ホンットにこの子は!」
おばさんに睨まれて長峰くんが首を竦めた。
「だからさ。責任持って、俺の部屋に寝かせるって。」
「は?あんなムサ苦しい所じゃ、悪酔いが収まらないわよ!座敷に布団敷くから、手伝いなさいっ!!」
ピシャリと言われて、仕方なく立ち上がった姿が、何だか小さい子みたいで可笑しかった。
「笑うなよな。」
振り返って睨む彼に、おばさんの容赦無い声が飛ぶ。
「つべこべ言ってないで、とっとと動きなさい!!」
「へーい…」
そんなこんなで、ぼくはまんまと長峰くんちに泊まることになった。
「なんか…ゴメン。」
真っ白なカバーをかけられた布団を前に、ぼくは項垂れた。
「いーって。母さんも、アレで結構喜んでんだからさ。」
「あ、あのさ…」
「ん?」
「変だって、思わないの?」
「は?何のこと?」
「ぼ、ぼくは…」
―ずっと水沢さんのことが…。
「あのさ。結城は、結城だろ?」
何でもないことのように言われて絶句した。
「だってさ。おまえ、崎谷さんの嫁さん見て、それで崎谷さんをどうこう言うか?」
「ううん。言わないよ。」
「だろ?そんなもんだ。それに俺だってさ…」
―へ?
長峰くんが、どうしたの?
「あっ!もうこんな時間かよ。俺、明日早いからさ。おやすみっ」
そそくさと出て行ってしまった。
きっと、長峰くんも、何か抱えてるんだな…。
そう推し量って、ぼくは静かに布団に寝転んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 48