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種明かし3
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あの後何度か、物言いたげな水沢さんと顔を合わせることがあったけど
決定的なことを言われると思ったら、こわくて堪らなかった。
だから、そういう時は、近くにいる人と殊更仲良く話したり、今は忙しいと、走って逃げた。
「水沢先輩の話を聞かなかったのも、自分の気持ちも言わなかったのも、こわがってひたすら逃げてたのも。全部ぼくなんです。こんなことしてたら、絶対に上手くなんていきっこないですよね?」
「まあな…上手くいったら面白うないて、思うとったヤツも、部の中におったしなぁ。」
―えっ?
「女マネと、あと1人。特に女マネはシツコうてなー。あの時、水沢がああ言ったんも、ソイツらを撃退するつもりやったらしい。寿哉に聴こえとるなんて、想定外もええとこやったんやとさ。」
「そうだったんですか…」
「ま、今更やけどな。聞いてもろたお陰で、スッキリしたわ。おおきに。」
「いえ、そんな…。」
「寿哉。大事なんは、今やぞ。とりま、松茸ゲットや!」
そう言って笑った人の背中には、いつも通りの頼もしさが戻っていた。
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