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敵わない 2 結城side
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「ふっ、ぅ、…ん、っ」
苦しい位深いキスに、つい変な声が漏れちゃった。
1つ年下の長峰くんは、小さい頃から、何でもぼくより上手だ。
ぼくの後から始めた水泳でも、選手にならないかってコーチから誘われた位、いつの間にか、すごく上手に早く泳げるようになってたし。
ってゆうか、どうして、こんなにキスが上手なんだろ?
―もしかして。
誰かとたくさん、したのかな?
啄むような優しいキスの合間に、そんなことを考えたら、何だかイヤな気持ちになってしまった。
「…どうした?」
まさか、元カノさんとか、顔も知らない人に、ヤキモチ焼いたとか、そんなの勝手、だよね?
顔を見つめたまま、黙って首を振れば
「…やっぱ、止めとこっか?」
って苦笑いして、長峰くんは腰を上げた。
―そうじゃない、嫌じゃないのに。
言えない代わりに、彼の腕を強く引っ張った。
「でも、さすがに、ココじゃ、ちょっとな…」
気まずそうに、チラッと彼が見やった方にあるのは、ぼくんちの仏壇…。
そこに飾ってある父さんの写真とバッチリ目が合っちゃった気がした。
うわーー!
か、勘弁してっ!!
―もう、顔から火が出そうだ。
慌てて階段を駆け上がったぼくを追って、弘輝くんがやって来る。
―父さん、ごめんなさい。
でも、ムリなんだ。
父さんがいつか言ってた通り、ぼくは弘輝くんに敵わない。
だって、いつも上手に捕まえて、優しく訊いてくれるから。
「泣いてんのか?」
―半分、正解。
どうしても離れたくなくて。
でも。
今から起こることを考えたら、恥ずかし過ぎて…。
コウちゃんの腕の中、ぼくは、黙って目を閉じた。
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