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プロローグ
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俺の恋した人はいつだって俺から逃げようとする
「ンッ…あぁっ駄目です…」
「それ本気で思ってる?」
甘い声をあげて否定にもならない力で押し返しながら
「お…思っていますっ…だ、って…私達は…」
「先生と生徒だから、だろ?」
熱く潤んだ瞳で俺を見上げては同じ台詞を並べて
「そ、です…っ…あっ…だから…駄目ですっ」
「もうその言葉は聞き飽きたよ先生」
だから俺はこの人を縛り付ける
「ああっ…そ、んなっ…そこはっ!」
「なあ先生、俺の事本当に嫌ならこの腕振りほどいて逃げてよ」
甘く甘く溶かして逃げ出せない事を知っていながら
「………っ…本当に…聖夜くんは意地悪ですね…」
「意地悪なのはどっち?……綺月さん」
簡単に振り解けてしまうほどの力で腕の中に
「…んっ…ああっ聖夜、くんっ…ん」
「綺月さん、俺の事好き?」
閉じ込めていつでも抜け出せるのに抜け出さないこの人が愛しい
「…………っ」
「……俺は綺月さんが好きだよ」
まだ一度も「好き」だと口にしないで教師である責任と人間の欲求の間に揺れ動く儚くも強いこの人が好きで好きで堪らない
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