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初っ端から (side 歩人)
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20××年9月2日、今日から2学期が始まる
朝のホームルームまであと20分くらい…
(……。)
俺の席は、窓際1番後ろという特等席
頬杖を付いて、ある方向をぼーっと見つめていたときだった
(…うわっ!やば…)
ふと我に返り、ぼすんっと机に突っ伏す
…いつの間にか前の席の友人、尊川 慧(みことがわ あきら)が、爽やかな黒ーい笑顔でこっちを見ていたからだ…
「だっるい…」
「いやいや、歩人(あると)。そんなんで誤魔化したつもり?」
「……。」
「あーあ…もう耳まで真っ赤じゃん…」
「う…ゃ…やめろ、くすぐったい…」
「んなこと言われても、耳以外も隠し切れてなかったからさ?あんなに好き好きオーラ出して、目細めてポヤンとしちゃっ…むぐぐっ…」
「だーもう、断じてちがうっ!」
「…ッ…じゃあ何なんだよ…」
慧が俺の手をグイッと口元からどけて、いかにもこんな顔(ーー;)してこちらを見ている
「…べつに。まだ暑いけど、だんだん秋になって、涼しくなるなー…って。そんだけ」
実はこれ、あながちウソではない。というのは…
「…ああ、なるほど。お前も好きねぇ」
「まあ、楽しみにはしてる… 」
窓際から見える、水色で覆われた空に思いを馳せる
「…って、やっぱり”あいつ”関係のことじゃん…」
「……。」
おかしいな、話逸らしたつもりだったんだけど…
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