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誘惑 ~レベル1~
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俺はこの高校に入学してあいつと出会った
緒方 紫苑(おがた しおん)
前髪だけが目が隠れるほど長い、ふんわりストロベリーブラウンの髪
背はやや低めで、華奢で柔らかそうな体格
いや、そんなことはどうで…もいい
お察しの通りそいつは
し ぬ ほ ど 良 い 匂 い が す る …
初めてあいつの横をすれちがったあの日のことは、今でもよーく覚えている…
「…っ!?…」
ふわっと、俺好みの『朝の香り』が…
しかも”雨上がりの涼しさ”まで感じさせる、中々お目にかかれない、理想的なまでに澄んだ匂い
あと、なんか…マスカットみたいなフレッシュな甘みまでするし…
(……。)
…俺はこのとき、すでに直感していた
この匂いは、まぎれもなく”緒方自身”のもので、香水やボディークリームのような、とってつけたものなんかじゃない、と…
そう分かったら、その時はもう
(やばい、抱き寄せたい…)
ふわり、ふわりと澄んだ水の香りを纏う、花のような髪の色の同級生の「男」を…
(……。)
…だけど頭に残ったなけなしの理性を必死にかき集めて、震えそうになるほどの衝動に耐えた。耐えきった
(何やってんだよ、相手は…)
「……。」
なのに、その時は逸らせなくて、だんだんと離れていく緒方を、俺はただじっと見つめていた…
それ以来、最初のその日よりは落ち着いたものの、緒方のあの匂いが俺を掠めるたびに
うっとりとした幸福感だけじゃなくて、切ないような苦しいような気持ちにまで陥るようになったんだ…
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