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眠れる大木の少年
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どこかしら、引きつけられる
なんとなーく、居心地が良い
よく分からないけど、波長が合う
クラスメイトたちとの間で、俺と歩人の仲が良いことが話題になったとき、こんなアバウトなことしか答えられなかった。というか、本当にそうとしか言いようがなかった
ちなみに本人を前にしてこれ言ったけど
「そんなもんなんじゃね?友達って」
と、何の迷いもなく肯定されたっけ…
このときはまだ、知り合って数日も経ってなかったはずだけど、学校生活において歩人の中で俺はすでにとけ込んでいたらしい
(『友達』か…)
そんな仲になってもうすぐ半年…
(俺にとって、歩人は何なんだろう?)
俺が歩人へ抱くこの感情は、友情とも恋愛とも言い難い位置にあると思う
(たとえば…)
歩人を1人の大木に喩えて、その木に寄りかかり、涼風を感じながらすやすやと眠っている自分を想像した
(こういうこと…なのかな…)
ただ隣にいるだけで心が落ち着くような、そんな存在
歩人は…俺のこの気持ちを知ったら、きっと理解して受け止めてくれるだろう
だけど、知られてないままでいい…
(だって、なぁ…)
…
そっか…
俺が特に意味もなく、たまーに歩人のことからかったりしてしまうのは…
(あーあ…俺ってこんなやつだったっけ?)
ははっ、と自嘲するような笑みが自然と零れた
…今、妙なほどくすぐったくて清々しい気持ちになってるけど、これに関しては深く考えないようにしておこう
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