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(それにしても…相手が緒方とは、ね…)
春の花を思わせる茶系の髪色・めちゃくちゃ長い前髪、という目立つ要素があるのに、さほど存在感がない。ちっさくて、なんかもっさい子
これが俺の緒方へもっていたイメージ
…歩人は緒方のどういうところを”可愛い”と思ったのだろう?
これは頭のどこかで気にはなっていた
「……。」
教室をくるっと見渡すと、緒方が新品?の深い水色の手帳に、セットでついてきたであろう、シックなステッカーをペタペタと貼っているのが見えた
(……。)
──そして、あっと言う間に旅行カバンモチーフの手帳の出来上がりー♪
なるほど、こういうのが好きなのか
あと、何気にステッカーの貼る位置とか種類の選び方がセンス良いな…
(お…?)
その完成した手帳を、くるっくるっとひっくり返しながら眺め、満足そうにしている。心なしか、周りに音符があちこちに浮いてる気が…
…うん、今のこの子の雰囲気を一言でたとえるなら「素直」って感じだな
まだあどけなさの残る、守ってあげたくなるような「いい子」というか
(あー…歩人がえらく気に入った理由がなんとなく分かった気がする…)
きっと歩人が緒方へ想う”可愛い”の1つはこれなんだろうな、と
その緒方が「男」ということを忘れ、そんなことを俺はのん気に考えていた
…ところだった
(……?)
緒方がいつの間にか、俺の席の少し後ろの方をじっと見ている
まるで淡く酔うような、そんな表情をして
しかも、俺の視線にはまるで気付いてない模様…
…
ん…?
んん…!?
…あ、やっと俺に気付いたみたいだ
慌てて前を向き、今はあの手帳のページを無意味にペラペラとめくりまくっている…
(あー…)
まさか、な…
後ろの席の、未だに不機嫌なまま机に突っ伏している歩人を見て思った
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