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一回休み
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とはいえ、泣いてる歩人を放っておく気にもならず、目線は前のまま、歩人の背中をトントンとして落ち着かせた
…さっき歩人も言ってたけど、こういう癒そうと思う行為が、かえって歩人のつらさを湧き出させてるのかもしれない
だけど、俺がこれから歩人に話すことは、一時的でもスッキリした気分で聞いてもらいたい
神様も、これくらいは許して欲しい
「…落ち着いた?」
「…ん、ごめん…」
「いーよ、謝んなくても…」
「……。」
やっとのことで歩人の涙が止まった
今はそのまま一息をつき、顔を上げてさわさわと揺れる枝葉を、ぼんやりと眺めている
少しはスッキリしたみたいだな、と内心俺もほっとした
(さて、問題はここからだな。どう話を切り出そうか…)
「あのさ、歩人…」
「…ん?」
「その、なんというか…」
「え、何…?」
ええい、じれったい!やっぱりごちゃごちゃ言うのやめよう
「うん、ここまでこじれちゃったからもう言うけどさ
緒方もあの時から…いや、もう少し前からお前のことけっこう気にしてたよ」
「…え?」
歩人の方を振り向くと、何が起こったのか分からない、とでもいうように固まってる
(あー…やっぱり気付いてなかったのか…)
爽やかな強い風が、ざあっと俺たち2人の間を駆け抜けた
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