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目に見えるものを
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俺が緒方の”あの”視線に気づいても、それを歩人に伝えてこなかったのもそこにある
いずれ歩人自身が気づいて、当人同士で真意を確かめ合うことになるだろう、と思ってたし、そうであるべきと思ってたからだ
…ただ、その予想は外れた
歩人はずっとその視線に気づかず、どころか男同士という障害を巨大に捉え、戦意を喪失してしまった
…こう思うと、どうしても緒方からの印象を良い方へ伝えたくなるけど
その真意がまだ分からない以上、今の俺にはその目で見えたものを伝えることしかできない
「…んー…目を半開きにして、顔ちょっと赤くして…場合によってはぼーっと見てたり、何か考え込んでたり…」
「え…」
って、おーい!言ったそばから俺は何を…
たしかに事実といえば事実だけど、こんなこと聞いたらまるで…
ほら、歩人なんて顔真っ赤にしてあわあわしちゃってるし
「あー…歩人?これだけ聞いたらそういう風に思えちゃうかもしれないけどさ
プラスな感情でも、たとえば”憧れ”みたいなものって可能性もあるわけで…
まあ、それにしては随分キラキラした感じだったけど」
(……。)
…なんか言葉にすればするほど…
時折歩人が緒方を見つめるシチュエーションと似てる気が…
つまり…
(やっぱり、緒方って歩人のこと好き…なのか?)
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