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伝えることは (side 歩人)
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びっくりした…
今まで慧には、一応イケメンだとか美形だとか言われてはきたけど(実際どうなのかは別として)
そういう時って決まって「普通」「地味」「目立たない」とか余計な修飾語がわんさかついてたから…
だから素で「かっこいい」なんて言われて、軽く衝撃的だった。…つか、
「あのさ、慧…」
「…なんだよ」
「どーかした…?何かヘン…」
「っ!?」
こんな感じで(° ° ;)目を見開いたと思ったら、膝で頬杖ついてフイッっと向こう側に視線逸らされる
(何なの、こいつ…?)
いや、俺のこと励まそうとしてくれてんのは分かるんだけど…
「…別に?そのまんまの意味だよ。昨日も似たようなこと言っただろ?」
ああ、うん。でもさ
「その普段のになんか足りなかった気がする。修飾語的なのが」
「……。」
「「……。」」
「…じゃあ、無しで」
…は?
「お前のこと、地味とか普通とか、全部」
…いや、ちょっ…
「…ついでに、お前が奥の方で緒方のことで悩んでたのどっかで気付いてたのに
”お互い印象良いのはずなのにー♪”とか楽観的になって、おちゃらけてたのも、ごめん…」
「えっ…」
そのまましばらくの間…
互いに、相手の顔がなんとなく見れないまま、という妙な時間を過ごしてしまった…
…そして午後の授業の予鈴が鳴るのと同時に
「あー…昼飯食い損ねた…」
と隣から声が聞こえて
「お前は昨日ドーナツ浴びるほど食っただろ…いや、俺のせいだったわ…」
とツッこんで、それにまたいつも通りからからと笑う友人に心底ほっとした
(……。)
…心なしか、慧の左耳の三日月のピアスがきらきらして眩しかった
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