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黄昏時
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*・*・*
(あー、くそ…)
慧の前で泣いてしまったのをふと思い返し、俺は今さらそのことを後悔していた…
だからと言うわけではないけど、今は放課後の教室に1人ポツンといる
(…でも、慧にはちゃんと感謝しないとな…)
男同士に関して偏見とかもたずに、ずっと俺のこと受け入れてくれてた
緒方のことで色々茶化されてもきたけど、思えばそれも全部肯定的なものだった。それに…
(……。)
そう…
緒方のこと…
『お前のことけっこう気にしてたよ?』
何で?
『あの時から、いやもう少し前から』
いつから?
『目を半開きにして、顔ちょっと赤くして』
……!
『…場合によってはぼーっと見てたり、何か考え込んでたり…』
……。
(何も、知らなかった…)
でも、それ以上に
(何で俺にそんなこと…?)
ずっと奥底で好きだった子が、緒方が…
(……。)
ダメだ…もうどう頭の中をめぐっても、都合の良いように考えが動いてしまう…
昨日から本気で諦めきっていたから、なおさらだった…
「はぁー…いつ帰ろ…」
正確に言えば、”いつになったら帰るの?俺”
慧に”先帰ってて”と言ったら、少し何か考えてた感じだったけど、特に何かを聞いてこようとはしなかった
(…でも、”何か”気付いてるんだろうな…)
そんなことを思いながら、窓際から夕日になる一歩手前の太陽をぼんやりと眺める
…ここにいても何も変わらないし、堂々巡りのこの状態から抜け出せないのは目に見えてる
だけど、なぜか俺は学校から帰れないでいて
、どころか…
「もっと静かで落ち着けるところ…」
と席を立ち、あてもなく教室を後にしていた
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