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言うほど
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「その…なんていうか、もう一回お礼言いたくて。うん、それだけ…」
「…え、いいのに」
「…あ、う…でも嬉しかったから…」
「…んー、まあ受け取っとくよ。けっこうくすぐったいけど…」
「…おれも、です」
「…なんか、薄々思ってたけど…緒方こういうとき敬語になってね?」
「……っ!!」
一応オブラートに包んで言った、つもり…
けれど、緒方はきゅうっと目を瞑ってそそくさと目を逸らしてしまう
「…そんな、言うほど照れてない…」
「……。」
”照れて”…
うん、包んだ意味ねぇわ
これツッこまない方が良い?
流石にこれ以上追い詰めちゃったらちょっと可哀想
「…まあ、こういうときは誰でも──
…緒方?」
「……。」
…階段のあたりにさしかかったところで
緒方がまた、ピタリと立ち止まった
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