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もうちょっとだけ
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「あ…」
「……。」
2と3階の間を踊り場を過ぎたあたりで、緒方がそう呟いた
この棟の2階は職員室。廊下は電灯が点いていてまだ明るかった。微かに話し声も聞こえる。先生も何人かまだ残っているようだ
ここまで来れば緒方ももう平気…
「「……。」」
…なんだろうけど
(……。)
きゅっと、俺の手首に力が込もってくる
「…いいよ、握ってても」
「…えっと、でも…」
「…緒方は?どうしたい?」
「……。」
「「……。」」
「……じゃ、もうちょっとだけ…このまま…」
「…ん、了解」
はぁー…もう、可愛過ぎる…
”このまま”って言葉が、なんだかすごく嬉しかった
”こうしてたい”って言われてる気がして
(…あったかい…)
さっきまで控えめに握られていたそこは、今はしっかりと握られている
そんなところも嬉しくて、歩く速度を少しだけ落としながら、昇降口へと向かった
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